講演情報

[SS3-2]薬局は教育の現場?―地域の薬局の現場から―

福田 幸彦 (THERAPEUTEC PHARMACY 代表)
〇略歴:
2002年 洛南高等学校卒業
2002年 第一薬科大学薬学部薬学科入学
2006年 福岡大学薬学部薬学科博士課程前期入学(微生物薬品化学教室)
2008年 独立行政法人国立病院機構宇多野病院勤務(CRC兼任)
2010年 梅ヶ丘薬局・梅ヶ丘薬局高台店・音戸山薬局の3店舗を父から継承
2016年 梅ヶ丘薬局東向日店開業
2020年 グループ名をTHERAPEUTIC PHARMACYとする
2023年 保険薬局経営者連合会 理事
2025年 梅ヶ丘薬局、薬局業務を終了し梅ヶ丘本店に名称変更
〇本文:
京都で梅ヶ丘薬局高台店・梅ヶ丘薬局東向日店・音戸山薬局の3店舗を展開するTHERAPEUTEC PHARMACYでは、「教育・安全・感謝」を理念に掲げ、日々地域医療に貢献している。私は薬局を、医療機関や小売業としての機能に加えて、教育機関としての側面を持つべき場所であると捉えている。来局された方が、薬局という場を通じて健康や薬、制度、流通などについて“何かを学び取って帰る”ことができる場であることを目指している。
本発表では、地域と向き合いながら薬局の教育的役割を果たすために行ってきた工夫を紹介する。たとえば、薬剤師による対話では、「自分の体調はご自身が一番わかっている」という患者の意向も考慮しつつ、将来の健康状態を予測しながらコンサルティングを行う。また、対人業務の可視化と患者理解を促進するため、「かかりつけガイドブック」を作成・配布している。
さらに、薬局をきっかけに食生活の改善にもつなげられるよう、しょうがを多く含むオリジナルクッキーの販売や、24時間相談が可能なLINE公式アカウントによるオンライン対応。こうした取り組みを通じて、地域と共に成長し続ける薬局の姿を提示し、教育的拠点としての可能性と課題を考察する。