講演情報
[SS4-1]明治薬科大学におけるヘルスビッグデータを活用した研究事例
赤沢 学(明治薬科大学)

〇略歴:
明治薬科大学薬学部卒。製薬会社で臨床開発・薬価担当を経て医療経済学を学ぶために渡米。イエール大学公衆衛生大学院でMPH取得(2001年)、ノースキャロライナ大学公衆衛生大学院でPhDを取得(2007年)。2008年に帰国、金沢大学医薬保健研究科薬学系の准教授を経て、2010年より現職。専門分野は薬剤疫学、薬剤経済学。所属学会はISPOR日本部会(理事)、日本薬剤疫学会(評議員)など。
明治薬科大学薬学部卒。製薬会社で臨床開発・薬価担当を経て医療経済学を学ぶために渡米。イエール大学公衆衛生大学院でMPH取得(2001年)、ノースキャロライナ大学公衆衛生大学院でPhDを取得(2007年)。2008年に帰国、金沢大学医薬保健研究科薬学系の准教授を経て、2010年より現職。専門分野は薬剤疫学、薬剤経済学。所属学会はISPOR日本部会(理事)、日本薬剤疫学会(評議員)など。
〇本文:
私の研究室(公衆衛生・疫学)では、毎年10~15名の卒業研究の学生指導を行っている。そのうち、研究内容がある程度まとまった学生には、学会発表の機会を与えている。ありがたいことに、3年連続で計4名の学生が日本薬学会学生優秀賞を頂き、それが研究室に所属する他の学生の研究意欲にも繋がっている。本スポンサードセミナーでは、学生優秀賞を頂いた研究について簡単に説明した後、なぜこのような卒業研究が可能なのか、その研究を行うための研究室の環境、並びに薬学部でデータベース研究を行う意義について私なりの考えを述べたいと思う。
研究室に配属された時点では、学生はデータベース研究になんとなく興味があるが、プログラミングの知識や経験がある学生はほとんどいない。そのため、研究室セミナー等で、データ加工や統計解析に必要な基礎的知識、疫学や研究デザインに関する知識(PECO、変数定義、バイアス減らす工夫など)、医療保険制度や診療報酬に関して学んでもらう。最近では上級生や社会人大学院生も増えてきたので、研究チームを作って相互に教え合う仕組みを作っている。
研究室には実験台などはなく、代わりに学生がデータ解析に使うPCが20台以上、データ管理用のサーバーがある。また、日本で利活用可能な保健・医療情報データベースを複数購入して卒業研究に使えるようにしている。2010年に研究室を立ち上げてから徐々に研究環境を整えてきた。研究テーマについては、臨床的な視点が不可欠である。そのため医療機関で働く医師や薬剤師と共同研究を立ち上げることが多い。医師や薬剤師のアイデアを基に研究計画を作り、それに従って学生がデータ解析を行う。オンライン会議などを使いながら、進捗状況の確認を行いつつ、臨床的視点で結果の解釈を行う。研究成果は学生が学会発表、指導する医師や薬剤師が論文を書くなど、あらかじめ決めた役割分担に従いながら成果の見える化も心がけている。
このような研究指導経験から、薬学部の学生がデータベース研究を行う意義としては、薬学の視点から研究計画を立て、それを病気や医薬品の知識を活かしながら、データ解析や臨床的解釈ができることだと思っている。そこが、最近増えてきているデータサイエンティスト教育との違いだと思う。
私の研究室(公衆衛生・疫学)では、毎年10~15名の卒業研究の学生指導を行っている。そのうち、研究内容がある程度まとまった学生には、学会発表の機会を与えている。ありがたいことに、3年連続で計4名の学生が日本薬学会学生優秀賞を頂き、それが研究室に所属する他の学生の研究意欲にも繋がっている。本スポンサードセミナーでは、学生優秀賞を頂いた研究について簡単に説明した後、なぜこのような卒業研究が可能なのか、その研究を行うための研究室の環境、並びに薬学部でデータベース研究を行う意義について私なりの考えを述べたいと思う。
研究室に配属された時点では、学生はデータベース研究になんとなく興味があるが、プログラミングの知識や経験がある学生はほとんどいない。そのため、研究室セミナー等で、データ加工や統計解析に必要な基礎的知識、疫学や研究デザインに関する知識(PECO、変数定義、バイアス減らす工夫など)、医療保険制度や診療報酬に関して学んでもらう。最近では上級生や社会人大学院生も増えてきたので、研究チームを作って相互に教え合う仕組みを作っている。
研究室には実験台などはなく、代わりに学生がデータ解析に使うPCが20台以上、データ管理用のサーバーがある。また、日本で利活用可能な保健・医療情報データベースを複数購入して卒業研究に使えるようにしている。2010年に研究室を立ち上げてから徐々に研究環境を整えてきた。研究テーマについては、臨床的な視点が不可欠である。そのため医療機関で働く医師や薬剤師と共同研究を立ち上げることが多い。医師や薬剤師のアイデアを基に研究計画を作り、それに従って学生がデータ解析を行う。オンライン会議などを使いながら、進捗状況の確認を行いつつ、臨床的視点で結果の解釈を行う。研究成果は学生が学会発表、指導する医師や薬剤師が論文を書くなど、あらかじめ決めた役割分担に従いながら成果の見える化も心がけている。
このような研究指導経験から、薬学部の学生がデータベース研究を行う意義としては、薬学の視点から研究計画を立て、それを病気や医薬品の知識を活かしながら、データ解析や臨床的解釈ができることだと思っている。そこが、最近増えてきているデータサイエンティスト教育との違いだと思う。