講演情報

[SY1-1]薬学教育カリキュラム検討委員会 活動報告(2)

小佐野 博史(帝京大学)
〇略歴:
1982年3月 東京薬科大学大学院修了   
1982年4月 防衛医科大学校内科学第3講座 助手
1992年1月 帝京大学薬学部 助手 
1995年2月~1996年10月 米国Mayo Clinic分子生物学部門博士研究員
2004年9月 帝京大学薬学部 薬物治療学教室 教授  
2022年4月 帝京大学名誉教授 現在に至る

【受賞歴】 
2001年 日本白内障学会学術奨励賞
2016年 私立薬科大学協会 教育賞
〇本文:
令和4年度改訂薬学教育モデル・コア・カリキュラム(改訂モデコア)の大項目「F臨床薬学」は、臨床における実務実習(フェーズ2)と、大学での実務実習前後の臨床薬学教育(フェーズ1、3)で構成されており、社会が求める臨床能力の向上を図るものである。このため本学会も2024年2月から「薬学実務実習委員会」を「薬学教育カリキュラム検討委員会」に変更し活動を開始した。本学会の中長期ビジョンに照らし合わせて連携を持って委員会活動を行ってゆくため、この1年間に5回の委員会を重ね、今年度は6月、7月に委員会主催の会員参加型ワークショップ(WS)を企画した。第1回WSは6月8日帝京平成大学中野キャンパスで開催した。第1回のテーマは「モデコア:わからないこと、困っていること」、「カリキュラムって何」、「国民のニーズに合った薬剤師を育てるために、モデコアをどのように活かすか」という内容である。第2回目は第1回目のWSを振り返り、7月13日(日)兵庫医科大学でのWSに繋げる。
企画の第1の問題点は、第1回会員参加者が17名、第2回目は14名(6月8日時点)と少なかったことである。これは本委員会の活動が十分に会員に浸透しておらず、認知度が低いことが原因の一つである。また、大学教員の参加が少なかったことは、改訂モデコアをもう十分理解しているという結果なのであろうか。医療機関や他の教育機関からの参加が予想以上に多かっただけに、最もカリキュラムを理解していなければならいのは誰なのか、という率直な疑問が湧いた。モデコア改訂の都度、小手先の改訂で済ませるという姿勢では、今後予定される6年毎のモデコア改訂に対して適切に対応することはできない。
このような状況を解決するため、本委員会活動をHPなどで周知し、総会でシンポジウムを企画するだけでなく、WSなど会員参加型の企画を定期的に行うことで、種々の問題について討論し、カリキュラムの理解に繋げてゆきたいと考えているので、是非、会員各位の理解と参加を期待したい。2回のWSは本シンポジウムと連動して企画したため、本講演では6月、7月に行ったWSの討論の成果を一部紹介し、それ以降のシンポジストの講演内容は2回のWSで討論した内容の総括と位置づけている。WSに参加した方々はもちろん、参加できなかった方もぜひ聞いていただき、総合討論で活発な意見交換をお願いしたい。