セッション詳細

シンポジウム1
未来に繋ぐ薬学教育
―大学では何を学ぶのか。コアカリの意義を考える-
(薬学教育カリキュラム検討委員会企画シンポジウム)

2025年8月23日(土) 15:30 〜 17:30
第1会場(225教室)
オーガナイザー:小佐野 博史(帝京大学)
オーガナイザー:角山 香織(大阪医科薬科大学薬学部)
〇概要:
令和4年度改訂コアカリによる教育に効果的に繋ぐため、改訂で何が変わったのか、その意義は何か、そして、学生は大学で何をどのように学ぶのか、令和4年度改訂コアカリの概念化、学修成果基盤型教育、新ガイドラインによる臨床におけるガイドラインなど、改訂の意図、現行コアカリとの違いを解説する。「薬学教育カリキュラム検討委員会」企画シンポジウム
〇詳細:
 令和4年度改訂薬学教育モデル・コア・カリキュラム(改訂モデコア)が実施されて2年目となり、各大学では6年間の教育課程について改訂が行われている。しかし一部の教員から、改訂モデコアは「スカスカになった」、「何を教えていいかわからない」、「学修事項が足りない」という声があり、薬学教育カリキュラム検討委員会(本委員会)で議論を重ねたところ、改訂モデコアが十分に理解されているのか、改訂の意図が大学に十分理解されているのか、という疑問が湧いてきた。以前のカリキュラムと学修内容だけ単に比較し改変した小手先だけの改訂では、これからの時代に真に役に立つ人材を育てることはできない。これからの多様な時代を生きる若者にどのような教育が必要かということは今や国家的な問題であり、国民の期待に沿う人材を輩出するために、薬学教育でも真剣に考えなければならない。
 令和2年に文部科学省は全大学、学部に向けて「教学マネジメント指針」を発出した。ここには「学修者本位の教育の実現」のため、「学修成果基盤型教育」を取り入れ、教えたがり屋の網羅主義から脱却し、学修者の主体性を醸成する環境の整備を充実することが求められている。果たして平成25年度改訂モデコアで、この指針に対応できるだろうか。
 学修成果基盤型教育は、医学系で早期から取り入れられ、薬学教育でも平成25年度改訂モデコアから一部取り込まれたものの、それ以前のプロセス基盤型教育から十分脱皮できていないため、学習成果基盤型教育の理解を妨げている。改訂モデコアではこの点にも着目し、学習成果基盤型教育を深化させたが、十分に理解されているかどうか疑問である。
 このような背景から、本シンポジウムでは、小佐野から本委員会設立後の活動を紹介した後、改訂モデコアの構成や改訂の意義を理解するために重要な「前文」を大久保先生に、次いで教学マネジメント指針の理解、主体性を育むために重要な概念である構成主義について平田先生にお話しいただく。最後に改訂モデコアの「F臨床薬学」における実務実習の位置づけ、平成25年度改訂モデコアに準拠した実務実習ガイドラインとの違い(深化)について大津先生にお話しいただく。
 学会という場を活かし、参加してくださった先生方となぜこのようなカリキュラムが必要なのか、今後の薬学教育にどのように活かしてゆくか、前向きに討論できる場にしたい。

[SY1-1]薬学教育カリキュラム検討委員会 活動報告(2)

小佐野 博史(帝京大学)

[SY1-2]前文が語るコアカリの真意

大久保 正人(千葉大学医学部附属病院)

[SY1-3]薬学教育モデル・コア・カリキュラムに沿った学修の在り方―客観主義から構成主義へー

平田 收正(和歌山県立医科大学薬学部)

[SY1-4]未来に繋ぐ薬学教育-実務実習の目的 改訂で何が変わったのか-

大津 史子(名城大学薬学部)

[SY1-5]パネルディスカッション