講演情報
[SY10-2]心理的安全性とマインドフルリスニング~心の中にある目標を共有する~
後藤 理英子(東京医科大学 医学・看護学教育推進センター)

〇略歴:
2001年 熊本大学病院糖尿病・代謝内分泌内科 医員
2014年 熊本大学病院地域医療支援センター 特任助教
2023年 昭和医科大学医学教育学講座 講師
2025年 東京医科大学医学・看護学教育推進センター 講師
【受賞】 2014年 International aldosterone forum Gordon Williams Prize
2016年 同 John Funder Prize
2019年 第8回西予市おイネ賞事業全国奨励賞
2001年 熊本大学病院糖尿病・代謝内分泌内科 医員
2014年 熊本大学病院地域医療支援センター 特任助教
2023年 昭和医科大学医学教育学講座 講師
2025年 東京医科大学医学・看護学教育推進センター 講師
【受賞】 2014年 International aldosterone forum Gordon Williams Prize
2016年 同 John Funder Prize
2019年 第8回西予市おイネ賞事業全国奨励賞
〇本文:
医療系の学修者は、最先端の科学技術による治療とケアを組み合わせ、患者や地域社会にとって最良の健康アウトカムを達成することができる医療人としての成長を求められる。そして、医療系の教育分野では、学生がこのような複雑で多面的な学修を達成するためにどのような学修環境が必要なのか、数十年にわたって模索が続いている。
学修に関連する心理的要因としては、①新しい情報を処理する認知機能、②学修者の信念や価値観やメタ認知といった内的特性、そして③学修者に内在する学修に対する感情的リスクの克服が挙げられる。本セッションでは、指導者が学修者の③を支援し、②を共有して学修者の自己理解を支えるためのスキルの一端として、学修環境における心理的安全性の理解、および学修者の内的特性を共有するためのマインドフルリスニングを理解し体験する。
心理的安全性は、職業的地位へのリスクを危惧することなく、職場環境で発言することができる個人の認識である。心理的安全性が確保された環境では、健全な意見の衝突がチームの生産性を上げることが知られている。医療系の学修環境においては、心理的安全性が欠如した場合、学修者は間違えることへの不安、恥辱、無能感により学修の参加意欲が低下し、発言が減り、自らの学修ニーズを表現しなくなる。長期的には学修プロセスを回避し、撤退し、バーンアウトやうつ病の発症に繋がることすらあることが知られている。また、心理的安全性が確保された学修環境では、学修者が失敗を恐れずに知識や技術の向上に意欲を示すことが報告されている。
傾聴は、チームの心理的安全性を確保する上で重要なスキルの一つである。チーム全員が同じ量を発言できる環境では、自分以外の人数分の発言を傾聴するスキルが求められる。
学修者支援においても、指導者の傾聴のスキルが重要であることは、論を待たない。今回は、傾聴スキルの中でも評価を手放し、心の平和を保つことを意識した「マインドフルリスニング」を紹介し、聴き方の深さ、「注意欠陥リスニング」、「反応型リスニング」、「応答的リスニング」、「受容的リスニング」を体験する。
本セッションが、指導者が心理的安全性の確保された学修環境を提供し、学修者の内的特性を理解して、学修者が自己の目標に向かって前向きに学修を継続することができるような学びの場が造られる一助となることを願っている。
医療系の学修者は、最先端の科学技術による治療とケアを組み合わせ、患者や地域社会にとって最良の健康アウトカムを達成することができる医療人としての成長を求められる。そして、医療系の教育分野では、学生がこのような複雑で多面的な学修を達成するためにどのような学修環境が必要なのか、数十年にわたって模索が続いている。
学修に関連する心理的要因としては、①新しい情報を処理する認知機能、②学修者の信念や価値観やメタ認知といった内的特性、そして③学修者に内在する学修に対する感情的リスクの克服が挙げられる。本セッションでは、指導者が学修者の③を支援し、②を共有して学修者の自己理解を支えるためのスキルの一端として、学修環境における心理的安全性の理解、および学修者の内的特性を共有するためのマインドフルリスニングを理解し体験する。
心理的安全性は、職業的地位へのリスクを危惧することなく、職場環境で発言することができる個人の認識である。心理的安全性が確保された環境では、健全な意見の衝突がチームの生産性を上げることが知られている。医療系の学修環境においては、心理的安全性が欠如した場合、学修者は間違えることへの不安、恥辱、無能感により学修の参加意欲が低下し、発言が減り、自らの学修ニーズを表現しなくなる。長期的には学修プロセスを回避し、撤退し、バーンアウトやうつ病の発症に繋がることすらあることが知られている。また、心理的安全性が確保された学修環境では、学修者が失敗を恐れずに知識や技術の向上に意欲を示すことが報告されている。
傾聴は、チームの心理的安全性を確保する上で重要なスキルの一つである。チーム全員が同じ量を発言できる環境では、自分以外の人数分の発言を傾聴するスキルが求められる。
学修者支援においても、指導者の傾聴のスキルが重要であることは、論を待たない。今回は、傾聴スキルの中でも評価を手放し、心の平和を保つことを意識した「マインドフルリスニング」を紹介し、聴き方の深さ、「注意欠陥リスニング」、「反応型リスニング」、「応答的リスニング」、「受容的リスニング」を体験する。
本セッションが、指導者が心理的安全性の確保された学修環境を提供し、学修者の内的特性を理解して、学修者が自己の目標に向かって前向きに学修を継続することができるような学びの場が造られる一助となることを願っている。