講演情報
[SY3-2]教育研究事例から考える薬学倫理教育―研究対象者への倫理的配慮―
竹平 理恵子(北里大学薬学部)

〇略歴:
博士(薬学)。北里大学薬学部 薬学教育研究センター医療心理学部門 准教授。
津田塾大学学芸学部数学科卒業後、高等学校の専任教諭となる。その後、東邦大学薬学部に進学、同大学薬学研究科臨床コースを修了し、東邦大学医療センター佐倉病院に入職。2007年から城西国際大学、2016年から北里大学にて薬学教育に携わる。
博士(薬学)。北里大学薬学部 薬学教育研究センター医療心理学部門 准教授。
津田塾大学学芸学部数学科卒業後、高等学校の専任教諭となる。その後、東邦大学薬学部に進学、同大学薬学研究科臨床コースを修了し、東邦大学医療センター佐倉病院に入職。2007年から城西国際大学、2016年から北里大学にて薬学教育に携わる。
〇本文:
薬学部が6年制となり、アウトカム基盤型教育が実施されるようになってから、実施した教育の効果を測定する薬学教育に関する研究、すなわち教育研究の機会が増加している。教育研究においては、薬学生やセミナー等を受講した薬剤師を対象とする、いわゆる人を対象とした研究が行われる場合もあり、研究対象者への配慮が必須である。
患者を対象とする研究については、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に則って実施することで、倫理的に適切な研究とすることができる。しかしながら、薬学生や薬剤師を対象とする教育研究は、同指針の対象には該当しない。そのため、適切な倫理的配慮のもとで研究を実施するには、研究者自身がどのような配慮が必要なのかを考えて対応する能力を有することが必要である。
本シンポジウムでは、演者がこれまでに携わってきた教育研究の経験をもとに、研究対象者の保護という観点から“もやっと”した事例を紹介し、それらを解消するために必要な薬学倫理教育について考えていきたい。また、教育研究において使用するデータの位置づけ、すなわち業務(授業)改善を目的に取得したデータなのか、あるいは研究目的で取得したデータなのかという違いにより、それぞれに求められる倫理的配慮がどのように異なるかについても言及する。これらを踏まえて、薬学における倫理教育において注力すべきことは何なのか、シンポジウム参加者とともに考える機会としたい。
薬学部が6年制となり、アウトカム基盤型教育が実施されるようになってから、実施した教育の効果を測定する薬学教育に関する研究、すなわち教育研究の機会が増加している。教育研究においては、薬学生やセミナー等を受講した薬剤師を対象とする、いわゆる人を対象とした研究が行われる場合もあり、研究対象者への配慮が必須である。
患者を対象とする研究については、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に則って実施することで、倫理的に適切な研究とすることができる。しかしながら、薬学生や薬剤師を対象とする教育研究は、同指針の対象には該当しない。そのため、適切な倫理的配慮のもとで研究を実施するには、研究者自身がどのような配慮が必要なのかを考えて対応する能力を有することが必要である。
本シンポジウムでは、演者がこれまでに携わってきた教育研究の経験をもとに、研究対象者の保護という観点から“もやっと”した事例を紹介し、それらを解消するために必要な薬学倫理教育について考えていきたい。また、教育研究において使用するデータの位置づけ、すなわち業務(授業)改善を目的に取得したデータなのか、あるいは研究目的で取得したデータなのかという違いにより、それぞれに求められる倫理的配慮がどのように異なるかについても言及する。これらを踏まえて、薬学における倫理教育において注力すべきことは何なのか、シンポジウム参加者とともに考える機会としたい。