講演情報

[SY5-5]女性医学におけるプレコンセプションケア教育/看護教育の現場から
月経教育から学ぶプレコンセプションケア

樋口 毅(弘前大学大学院保健学研究科)
〇略歴:
1987年 3月 弘前大学医学部卒業
1987年 4月 弘前大学産科婦人科学教室入局
1990年10月 弘前大学医学部助手
1996年 4月 米国ペンシルバニア州立大学医学部 生化学教室
2000年 2月 弘前大学医学部附属病院 講師 
2011年 5月 弘前大学医学部附属病院 准教授
2012年 9月 弘前大学大学院 保健学研究科 教授 現在に至る
専門 女性医学(更年期・中高年医療、女性ヘルスケア)
〇本文:
 女子大学生にとって月経教育は、普段の月経関連トラブルを考える上でも将来の妊娠、また不妊や緊急を含めた避妊を考える上でも非常に大切である。本当は女子学生と近い距離にいる男子学生にとっても同じく必要である。高校生までの性教育や健康教育では現象として教わってきている月経(一般的な呼称は生理)を大学ではその起こるメカニズムから教え、そのトラブルの原因や薬物療法を中心とした対処についても詳しく説明することを心がけている。具体的には無月経、月経困難症、過多月経、月経前症候群、多嚢胞性卵巣症候群などの病態、治療を解説する。
 将来の健康を考える視点もプレコンセプションケアとして重要である。授業では月経関連トラブルの延長線上に起こる骨量の減少、卵巣子宮内膜症による卵巣悪性腫瘍の発生、多嚢胞性卵巣による糖代謝異常、子宮体癌などについても説明を加えている。
 この領域では、経口避妊薬、LEP配合剤、黄体ホルモン製剤、GnRHアナログなどのホルモン製剤が汎用されるため薬学部の学生にも是非とも理解してもらいたい。看護教育では、以上について1−3年生までの各学年で講義をする場を設けている。段階的にかつ反復して行っている講義の進め方も話す予定である。