講演情報
[SY8-1]薬局薬剤師の潜在能力を刺激し自己成長を促す研修教育のあり方―学修を促進する場の創造と学修支援―
西村 由弥子(昭和医科大学 大学院薬学研究科/東日本メディコム株式会社/熊本大学 教授システム学教育実践力開発拠点連携研究員)

〇略歴:
調剤薬局に20年以上勤務ののち、薬剤師生涯研修事業において企画運営等を担当。病院勤務経験も有する。生涯研修事業に携わる中で、熊本大学大学院にて教授システム学を専攻し、研修設計などを学ぶ。
2020年より、Web薬歴の開発に携わり、臨床思考をシステムに導入することに挑戦している。また、昭和医科大学大学院博士課程にて、薬剤師の職能向上を目指した研究活動を継続。
日本医療薬学会 2022年度医療薬学学術第2小委員会委員
調剤薬局に20年以上勤務ののち、薬剤師生涯研修事業において企画運営等を担当。病院勤務経験も有する。生涯研修事業に携わる中で、熊本大学大学院にて教授システム学を専攻し、研修設計などを学ぶ。
2020年より、Web薬歴の開発に携わり、臨床思考をシステムに導入することに挑戦している。また、昭和医科大学大学院博士課程にて、薬剤師の職能向上を目指した研究活動を継続。
日本医療薬学会 2022年度医療薬学学術第2小委員会委員
〇本文:
地域医療の担い手として、患者個別の薬物治療の課題解決に必要となる知識・技能の維持・向上を目的に、生涯にわたり自己研鑽を続けるためには、学修意欲を維持することが必要である。
研修認定薬剤師制度では、認定を受けるために必要な単位の付与がインセンティブとして働くものの、単位取得のみを目的として興味の赴くまま研修に参加する行動があることは否定できない。また、学修効果を十分に考慮した研修設計がなされない研修があれば、実践能力の獲得までに至らず、新たな情報を知ることのみで興味が満たされてしまい、実務への活用がなされないままに終わってしまうことも考えられる。
「生涯学習は、単なる研修や継続教育ではなく、概念理解の探求から知識の実践的な応用への絞り込みまで、多様な学習機会を支援する必要がある。(Fischer,2000)」。と述べられるように、必要となる知識・技能を単発的に学んで終わることなく、実践に確実に繋げられるよう、体系的に設計された学修プログラムがあることが重要となる。そして、学ぶ側の既有の知識・技能の違いや、理解度・進捗度の差に柔軟に対応できる支援も、学修プログラムの重要な要素として準備しておくことを提案する。
学修支援と文字に書けば、指導することと捉えられるかもしれないが、生涯学修であっても必要に応じて自己学修も必要であり、また、生涯学修であるが故に、学修時間に制限があることを踏まえ、学修者が自身のペースで自ら調整して学ぶことができる支援を行うことを推奨する。支援は人が行うものだけでなく、資料やテキストの追加情報として盛り込むことも可能である。そして、学修意欲などに関連するとされる自己効力感を高める工夫を加えることを提案したい。
薬剤師として患者の薬物治療の課題解決に取組みたい、その方法論を知りたいという声を聞くことがある。例えば、症例の課題解決を、容易なものから難しいものまで段階的に取組むことのできる学修プログラムがあれば、ステップアップするごとに増える知識・技能だけでなく、業務体験で得た潜在能力を活用し、実務で遭遇する新たな課題解決をも可能にする。そして、実務での成功体験は自己効力感をもたらし、自身の能力をさらに高めようと学修を継続する原動力となるであろう。
地域医療の担い手として、患者個別の薬物治療の課題解決に必要となる知識・技能の維持・向上を目的に、生涯にわたり自己研鑽を続けるためには、学修意欲を維持することが必要である。
研修認定薬剤師制度では、認定を受けるために必要な単位の付与がインセンティブとして働くものの、単位取得のみを目的として興味の赴くまま研修に参加する行動があることは否定できない。また、学修効果を十分に考慮した研修設計がなされない研修があれば、実践能力の獲得までに至らず、新たな情報を知ることのみで興味が満たされてしまい、実務への活用がなされないままに終わってしまうことも考えられる。
「生涯学習は、単なる研修や継続教育ではなく、概念理解の探求から知識の実践的な応用への絞り込みまで、多様な学習機会を支援する必要がある。(Fischer,2000)」。と述べられるように、必要となる知識・技能を単発的に学んで終わることなく、実践に確実に繋げられるよう、体系的に設計された学修プログラムがあることが重要となる。そして、学ぶ側の既有の知識・技能の違いや、理解度・進捗度の差に柔軟に対応できる支援も、学修プログラムの重要な要素として準備しておくことを提案する。
学修支援と文字に書けば、指導することと捉えられるかもしれないが、生涯学修であっても必要に応じて自己学修も必要であり、また、生涯学修であるが故に、学修時間に制限があることを踏まえ、学修者が自身のペースで自ら調整して学ぶことができる支援を行うことを推奨する。支援は人が行うものだけでなく、資料やテキストの追加情報として盛り込むことも可能である。そして、学修意欲などに関連するとされる自己効力感を高める工夫を加えることを提案したい。
薬剤師として患者の薬物治療の課題解決に取組みたい、その方法論を知りたいという声を聞くことがある。例えば、症例の課題解決を、容易なものから難しいものまで段階的に取組むことのできる学修プログラムがあれば、ステップアップするごとに増える知識・技能だけでなく、業務体験で得た潜在能力を活用し、実務で遭遇する新たな課題解決をも可能にする。そして、実務での成功体験は自己効力感をもたらし、自身の能力をさらに高めようと学修を継続する原動力となるであろう。