講演情報
[SY8-2]病院と薬局による地域連携強化を目指す研修開発とその効果
堀 英生(名古屋市立大学 大学院薬学研究科 臨床薬学分野)

〇略歴:
【学 歴】2000年 名城大学薬学部卒業
2011年 名古屋市立大学大学院薬学研究科博士前期課程修了
2018年 同 博士後期課程修了
【職 歴】2000年~2003年 愛知県内の保険薬局に勤務
2003年~2020年 医療法人 笠寺病院(2011年~薬局長)
2021年 名古屋市立大学大学院薬学研究科 病院助教
2021年 同 講師 現在に至る
【学 歴】2000年 名城大学薬学部卒業
2011年 名古屋市立大学大学院薬学研究科博士前期課程修了
2018年 同 博士後期課程修了
【職 歴】2000年~2003年 愛知県内の保険薬局に勤務
2003年~2020年 医療法人 笠寺病院(2011年~薬局長)
2021年 名古屋市立大学大学院薬学研究科 病院助教
2021年 同 講師 現在に至る
〇本文:
近年、我が国では急速に進む少子高齢化に伴い、医療や介護の需要の増加が見込まれていることから、住まい・医療・介護・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が進められている。このような背景のもと厚生労働省から「患者のための薬局ビジョン」が公表され、薬剤師・薬局は、多職種・他機関と連携して地域包括ケアの一翼を担うことが求められるようになった。さらに、薬機法が改正され、入退院時の医療機関との情報連携や在宅医療等に地域の薬局と連携しながら一元的・継続的に対応できる薬局として「地域連携薬局」が創設され、病院と薬局の連携の重要性が一層高まっている。
その様な状況のなかで演者らは、東邦ホールディングスとの共同研究のもと、地域薬剤師会および地域中核病院が協働して、地域中核病院と薬局の連携活性化を強化する研修会を約3年半(全14回)継続的に行った。また、研修プログラムの設計には、学習者の関心を引き、学習意欲を高め、それを継続可能にすることを重視しインストラクショナルデザインの代表的な理論であるARCSモデルを導入した。具体的には、Attention、Relevance、Confidence、Satisfactionの4要素に基づき、診療報酬に関連した注目度の高いトピックや、実際の臨床現場で導入しやすい実践的な内容を選定した。また、講義に加えてディスカッションや実技演習を組み合わせることで、より実務に直結する魅力的で効果的な研修を目指した。さらに、病院に提出された薬局からのトレーシングレポート(TR)の好事例を共有し、薬局薬剤師が病薬連携の成果を具体的に実感できるような工夫も施した。
研修会参加者からは、本研修会について高い評価が得られるとともに、参加者の病薬連携に対する意識や行動に変化が認められた。また、研修会非参加者に比べ参加者では、TRの提出枚数の増加が認められる結果となり、本研修会が病薬連携の強化に効果的であったことが分かった。しかし、継続的な研修を実施していく中で、より多くの方に参加いただくためには、研修内容だけでなく、広報のありかたや研修会の開催方法など総合的な視点で研修会を設計・実施しなければならないことが分かった。
本シンポジウムでは、演者らが実施してきた研修会について紹介するとともに、薬局薬剤師が実際の医療現場に活かせるような効果的な研修会を継続的に実施するための方策について参加者の皆様と議論したいと考える。
近年、我が国では急速に進む少子高齢化に伴い、医療や介護の需要の増加が見込まれていることから、住まい・医療・介護・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が進められている。このような背景のもと厚生労働省から「患者のための薬局ビジョン」が公表され、薬剤師・薬局は、多職種・他機関と連携して地域包括ケアの一翼を担うことが求められるようになった。さらに、薬機法が改正され、入退院時の医療機関との情報連携や在宅医療等に地域の薬局と連携しながら一元的・継続的に対応できる薬局として「地域連携薬局」が創設され、病院と薬局の連携の重要性が一層高まっている。
その様な状況のなかで演者らは、東邦ホールディングスとの共同研究のもと、地域薬剤師会および地域中核病院が協働して、地域中核病院と薬局の連携活性化を強化する研修会を約3年半(全14回)継続的に行った。また、研修プログラムの設計には、学習者の関心を引き、学習意欲を高め、それを継続可能にすることを重視しインストラクショナルデザインの代表的な理論であるARCSモデルを導入した。具体的には、Attention、Relevance、Confidence、Satisfactionの4要素に基づき、診療報酬に関連した注目度の高いトピックや、実際の臨床現場で導入しやすい実践的な内容を選定した。また、講義に加えてディスカッションや実技演習を組み合わせることで、より実務に直結する魅力的で効果的な研修を目指した。さらに、病院に提出された薬局からのトレーシングレポート(TR)の好事例を共有し、薬局薬剤師が病薬連携の成果を具体的に実感できるような工夫も施した。
研修会参加者からは、本研修会について高い評価が得られるとともに、参加者の病薬連携に対する意識や行動に変化が認められた。また、研修会非参加者に比べ参加者では、TRの提出枚数の増加が認められる結果となり、本研修会が病薬連携の強化に効果的であったことが分かった。しかし、継続的な研修を実施していく中で、より多くの方に参加いただくためには、研修内容だけでなく、広報のありかたや研修会の開催方法など総合的な視点で研修会を設計・実施しなければならないことが分かった。
本シンポジウムでは、演者らが実施してきた研修会について紹介するとともに、薬局薬剤師が実際の医療現場に活かせるような効果的な研修会を継続的に実施するための方策について参加者の皆様と議論したいと考える。