講演情報

[WS7]学生の成長を促す協働学習~SGDをクラス全体の学びにつなげる効果的なファシリテーション~

【代表オーガナイザー】
富永 佳子(新潟薬科大学薬学部)
【共同オーガナイザー】
北田 雅子(札幌学院大学人文学部)
【タスクフォース】
笹木 睦子(新潟薬科大学薬学部)
牛田 誠(名城大学薬学部) 
向井 勉(株式会社ユニスマイル管理本部)
〇略歴:富永 佳子 
1986年徳島大学薬学部卒業、2001年米国ジョージタウン大学経営大学院修了。製薬企業等で新薬開発ならびにマーケティングに従事し、2018年慶應義塾大学薬学研究科修了、博士(薬科学)。2018年より新潟薬科大学(研究テーマ:薬剤師の職能発揮、行動変容、コミュニケーションなど)に勤務。動機づけ面接2級、NLPビジネスマスター。

〇略歴:北田 雅子 
1993年筑波大学、1997年東北大学の修士課程を修了。2011年ドイツがん研究センターにてタバココントロールの研究に従事。2012年北海道大学にて学位取得。2004年より札幌学院大学および他大学の大学院にて健康行動理論を担当。2013年に動機づけ面接に魅了され国際ネットワーク(MINT)メンバーに、2020年からMINT認定トレーナーとして活動中。

〇略歴:笹木 睦子 
1993年富山医科薬科大学薬学部卒業後、山梨医科大学病院にて薬剤師として5年間従事し、1998年より新潟薬科大学勤務。2020年よりSGDのファシリテーション、実習・演習の際のフィードバック、臨床実務実習の担当学生との面談等の際にMIのスキルを取り入れている。

〇略歴:牛田 誠 
1994年名城大学薬学部卒業後、1995年同大学薬学専攻科を修了。同年、NTT西日本東海病院に勤務。2003年よりトライアド東海株式会社(あさひが丘薬局勝川店)にて地域医療に従事。2018年より、名城大学薬学部 臨床薬学教育・研究推進センターにおいて実務家教員として薬学教育に携わっている。専門分野は、臨床薬学、地域医療。

〇略歴:向井 勉 
1995年明治薬科大学卒業後、病院勤務、ドラッグストアのバイヤーに従事。1995年(株)市民調剤薬局を開設し、研修として2013年より薬剤師の服薬指導へのスキル導入を目的に動機づけ面接法を導入、薬局における自殺予防活動を推進。2020年グループ会社の統合により(株)ユニスマイル取締役管理本部長として同社にも研修導入。
〇紹介文:
 薬学教育実践の中でPBL・TBLは広く根付いており、その過程で学生同士がSGDを通じて、様々な意見を交わし、中核的な問題点の抽出力、それらの解決に向けた対策の構築力を醸成することが期待されています。しかしながら、討議は表面的になりがちで、相手を受容し、さらなる考えを引き出すような言動は限定的です。様々な意見がある場合に「どれを選ぶか」ではなく、その背景にある価値観や視点の違いに目を向けようとする姿勢・態度を学生達に身に付けてもらうには我々教員はどのように対応すればよいのか一緒に考えたいと思います。
 グループでの討議内容は構成メンバーの基礎的な力の差はもとより、学習意欲の違いなどから、成果物の質的な差異が生じることは避けられません。新潟薬科大学薬学部の倫理・コミュニケーション系科目では、深く示唆に富んだ見立てができている成果物を提示し、自らのグループのものと比較検討するような問いを個人レポートの中に含めています。また、SGDの過程でも時間の許す範囲でクラス内共有を行い、多様な学びの機会を提供するような授業を目指しています。その際も、学生達の気づきを促すようなファシリテーションは重要であり、対人援助や行動変容支援に効果的とされている「動機づけ面接(MI)」の基本技法が役立つことが多いと実感しています。そこで、日本におけるMIの教育・普及啓発の第一者である北田雅子先生にもご協力いただき、本WSを企画致しました。
 参加いただく先生方にはリアルワールドの教育課題をテーマとしてSGDに取り組んでいただく予定です。その過程を通じて、アクティブラーニングを効果的かつ建設的に進めるためのファシリテーションスタイルの一つとしてMIのスキルおよびマインドセットを実体験し、今後MIのエッセンスを多少なりとも生かしていただければ幸いです。会場内wifiを利用した全体共有のため、各自ノートPC(充電済み)をご持参下さるようお願い致します。