講演情報
[C4-06]デザインの類似判断に関する消費者の知覚傾向
*坂本 和子1 (1. 法政大学デザイン工学部)
キーワード:
デザインの類似性、視覚的刺激、典型性
本研究は、消費者が製品デザインの類似性を判断する際に用いる視覚的手がかりを検討するものである。特に、スマートフォンのようにコモディティ化が進んだ製品カテゴリにおいては、デザインがブランドの差別化要因となるだけでなく、法的リスクにも直結する重要な要素である。本研究ではまず、色・形・サイズといった抽象的な図形を用い、視覚的手がかりの優先順位を明らかにした。さらに、実際のスマートフォン画像において、デザイン間の類似性評価を行った。その結果、抽象的な選択場面においては「色」が判断に大きな影響を与える一方、実製品の判断においては「形状」、とりわけ角の丸み(角R)の処理が、類似性評価に決定的な役割を果たすことが明らかとなった。加えて、Tversky(1977)の特徴ベースの類似性理論と整合的に、評価の非対称性も確認された。すなわち、ある製品が参照プロトタイプとして提示された場合、その形状が他の製品の評価を一方向に偏らせ、類似性の判断が低くなる傾向が見られた。これらの知見は、消費者が製品デザインをどのように認知的に処理し、評価するかについて、重要な示唆を与えるものである。
