講演情報

[PB-58]量産設計の実践を通じたデザイン案検討時の考慮点に関する考察

*宮本 比陽子1、蘆澤 雄亮1 (1. 芝浦工業大学大学院)

キーワード:

Industry-academia collaboration、Design Process、Design Proposal

本研究は、産学連携授業における実践的なデザインプロジェクトを事例とし、初期提案から量産設計に至るプロセスを遡及的に検討することで、デザイン提案の質を向上させるための重要な視点を明らかにすることを目的とする。対象プロジェクトでは、あらかじめ設定された企業と協働し、カゴ台車の再設計を行い、量産に向けた詳細な検討段階まで開発を進めた。分析の結果、提案段階で工学的制約やコスト、製造工程といった要素はすでに考慮されていたものの、これらの重要性は量産計画段階において一層顕在化することが明らかとなった。また、初期段階から明確かつ一貫したデザインコンセプトを有することが、開発全体を通じた意思決定の円滑化に寄与することも確認された。以上のことから、産学連携授業において学生がデザイン提案を行う際には、各フェーズで重視される観点の違いを理解し「デザインは変化する」という認識をあらかじめ持つことが重要であるといえる。加えて、デザインが段階的に変容する中でも、プロジェクト全体を通して一貫性を維持するためには、全体を貫く「目標たる言葉」の設定が重要であるという知見が得られた。