セッション詳細

[OS_E]オーガナイズドセッション E
「デザインすることを問い直し、変化しつづける学術誌をつくる」

2025年6月29日(日) 15:10 〜 17:10
口頭5会場(C201)
司会
 池田 美奈子(モデレータ/Edit-and-Design/作品審査委員会委員)

パネリスト
 宮田 雅子(パネリスト/愛知淑徳大学)
 工藤 真生(パネリスト/九州大学)
 藤元 貴志(パネリスト/株式会社日立製作所 研究開発グループ  デザイナー)
 横溝賢(パネリスト/札幌市立大学/作品審査委員会委員長)
 1995年に第1号が発刊された『デザイン学研究・作品集』はデザインに取り組む実務者・実践者の思考のプロセスを研究の対象とする(森典彦,1995)、デザイン学研究特有のジャーナルである。
デザインのもつ他領域への拡張性、浸透性は、分野間の狭間で調和を志向するデザイナの特有の能力によってもたらされている。作品集はそういった様々な領域において実践するデザイナの思考のプロセス、すなわち「デザインできたとする作品」が生まれるデザイン行為の認知のプロセスを明らかにする研究論文集であると位置付けられる。
 だからこそ、作品集には多様なデザイン開発事例が集まり、変化しつづけるデザインの現在地を一望できる魅力がある。しかしそれら個々の作品がどのような思考のはたらきによって形づくられたのかについての記述方法、あるいは視覚化編集方法が浸透していないことが原因で、完成作品の特徴紹介に留まった、図録の範疇を抜け出せない投稿も散見される。また、作品集における査読には、著者本人が気づいていない思考のプロセスを明らかにする役割があるが、その協働的な査読作法も未だ十分に形成されていない。それらを可能にするためにはどんな仕組みを整えれば良いのか。
 本セッションでは、2024年度の審査活動を振り返りながら、この問いに向き合い、デザイン学独自のジャーナルデザインの可能性について議論する。