セッション詳細
[S12]有機フッ素化合物PFAS研究の新潮流: 毒性・リスク評価へ向けた薬学領域からの知見
2025年3月27日(木) 15:00 〜 16:30
第6会場 (福岡国際会議場 203 [2F])
オーガナイザー:藤井 由希子 (第一薬大)、原田 浩二 (京大)
有機フッ素化合物であるPFAS(ペル-/ポリ-フッ素化アルキル化合物、per- and polyfluoroalkyl substances)は水素原子がフッ素原子に置換した非常に安定な炭素鎖を持つ化合物である。代表的なPFASであるPFOS(炭素数8のスルホン酸)は2009年、PFOA(炭素数8のカルボン酸)は2019年に、それぞれストックホルム条約の下で残留性有機汚染物質(POPs)に指定された。その後、炭素鎖長の短いPFHxS(炭素数6のスルホン酸)は2022年にPOPsに指定され、2024年現在は長鎖PFCAs(炭素数9以上のカルボン酸)の条約への追加が検討されている。一方で、過去に使用されたPFASは環境中に依然として残留しており、近年、各国で水道水や血中濃度に関する規制値や勧告が次々と公表されている。PFASの毒性については、疫学研究によりさまざまな健康影響が示唆されているものの、基礎研究から得られる知見はまだ十分とはいえず、薬学領域からPFASの健康リスク評価を支える研究が強く求められている。本シンポジウムではこのPFASについて2024年度最新の状況を報告するとともに、「胎児期曝露の影響」「低濃度曝露の影響」「体内動態」「種差」「ヒト体内負荷量」をキーワードに5名の発表者から報告を行う。
趣旨説明:藤井 由希子(第一薬大薬)
[S12-1]PFAS問題:2024年度の振り返り
○原田 浩二1 (1. 京大院医)
[S12-2]PFAS胎児期曝露の影響:動物実験からの知見
○小島 弘幸1 (1. 北医療大薬)
[S12-3]PFAS低濃度曝露の影響:動物実験からの知見
○中尾 晃幸1 (1. 摂南大薬)
[S12-4]PFASの体内分布:用量・炭素鎖長による違いと動物種差
○工藤 なをみ1 (1. 城西大薬)
[S12-5]PFASの環境中での広がりとヒト体内動態
○藤井 由希子1 (1. 第一薬大薬)