セッション詳細
[S13]情動認知機能異常に着目した慢性疼痛発症/痛みの遷延化メカニズム解明への新たなアプローチ
2025年3月27日(木) 15:00 〜 16:30
第8会場 (福岡国際会議場 409+410 [4F])
オーガナイザー:森岡 徳光 (広島大院医)、徳山 尚吾 (神戸学院大薬)
痛みの遷延化には、末梢および中枢での痛覚受容やその伝導・伝達といった感覚系の異常に加え、痛みによる嫌悪感が引き起こす情動および認知機能の異常も関わっていることが最近の研究から明らかとなりつつある。特に、オピオイドやギャバペンチノイド、デュロキセチンなどの頻用される鎮痛薬が、単なる感覚系の抑制だけでなく情動・認知機能にも影響を及ぼすことからも、痛みの遷延化が多次元的な神経基盤によって制御されていることを示唆している。しかしながら、既存の慢性疼痛の発症メカニズムや治療標的の多くは、依然として主に感覚系に関わる知見に基づいており、情動や認知機能の異常が痛みの遷延化に与える影響についての理解は十分ではない。本シンポジウムでは、多角的に慢性疼痛を俯瞰し、感覚系に加えて情動・認知機能異常の観点から痛みの遷延化メカニズムにアプローチをしている4名の研究者にご登壇いただき、新たな視点に基づく治療戦略の構築に向けた最新の知見を共有したい。
オーガナイザー挨拶:森岡 徳光(広島大院医系科学)
[S13-1]経験や運動に依存して情動や疼痛が変化する病態の解析
○島田 昌一1,2、中村 雪子1,2 (1. 阪大院医、2. 大阪精神医療セ)
[S13-2]ヒトの脳機能から探る痛みの情動・認知のメカニズム
○吉野 敦雄1,2 (1. 広島大保健管理セ、2. 広島大脳こころ感性科学研究セ)
[S13-3]心理・社会的ストレス負荷による情動機能異常がもたらす慢性疼痛形成機構における脳内脂肪酸受容体GPR40/FFAR1シグナルの関与
○中本 賀寿夫1、徳山 尚吾1 (1. 神戸学院大薬)
[S13-4]疼痛遷延化とそれに伴う情動および認知機能異常に対するミクログリアの役割
○森岡 徳光1、中島 一恵1、中村 庸輝1 (1. 広島大院医系科学)