日本薬学会第145年会（福岡）

オーガナイザー：大嶋 耐之 (金城学院大薬)

厚生労働省が2021年に公表した薬剤師の需給推計では、日本の高齢者人口がピークに達すると見込まれる2040年には、最大で約10万人強の薬剤師が余るとされ、2040年は一つのターニングポイントとなる。このシンポジウムでは来る2040年問題について、「昨今の医療を取り巻く現状で薬剤師は生き残れるか」という命題を、未来の薬剤師像を鑑みて、今後の薬学教育をどう進めるべきかを討論する場とする。薬剤師業務は、2024年のトリプル改定、Amazon上陸に伴い、大きな転換を迫られている。今後、調剤業務のDX化、OTC販売拡大、在宅医療の進展に伴う薬剤師職能の拡大とともに社会への貢献、しいては薬学教育の変革が必至となってくる。厚労省は令和元年以降、薬剤師に「Take action」とエールに近い声を発信しつづけているが、国民の命を輝かせる職能及びサービスが何であるかを再認識し、2040年に向けて自ら考える薬剤師を育成する一助となることを目的とし、「大学」「薬局」「病院薬剤部」の各方面から、一石を投じるシンポジウムとしたい。