セッション詳細

[SS09]若手薬学研究者が切り拓く未来の核酸創薬

2025年3月28日(金) 13:15 〜 14:45
第5会場 (福岡国際会議場 202 [2F])
共催:学術変革領域研究(B)膜透過学:膜モジュレータ分子が拓く核酸医薬の細胞膜透過の実証と理解
オーガナイザー:大澤 昂志 (阪大院薬)、笠原 勇矢 (医薬健栄研)
アンチセンス核酸(ASO)やsiRNAに代表される核酸医薬は、低分子医薬、抗体医薬に続く創薬モダリティとして注目を集めており、その開発研究は年々活発化している。これまで化学修飾した人工核酸の活用により核酸医薬の有効性を高める試みが精力的になされ、数々の失敗と成功が積み上げられてきた結果、現在は臨床応用に求められる有効性が高い核酸医薬を容易に取得することができるようになってきた。また、近年まで課題とされていた核酸医薬の標的組織へのデリバリーも、脂質ナノ粒子を駆使した最先端のDDSと核酸科学の融合により克服できつつあり、DDS技術は核酸医薬になくてはならない存在になっている。しかし、その実用化をさらに加速するには、核酸医薬に多用されているホスホロチオエート修飾に起因する毒性が報告されている、核酸医薬の細胞膜透過性が極めて低いなど、化学からデリバリーに至るまで従来技術では解決できない課題がまだまだ山積している。さらに、核酸医薬が今後も継続的に発展を続けるためにはASOやsiRNAに続くモダリティの開発も必要不可欠である。そこで本シンポジウムは「若手薬学研究者が切り拓く未来の核酸創薬」と題して、このような現状と課題に向き合う6人の若手薬学研究者から最新研究の一端をご講演いただく。また、オーガナイザーを中心に、核酸医薬の膜透過性向上を目指した異分野融合の学術変革領域研究(B)「膜透過学」を現在進めており、その成果の一部についても本シンポジウムで紹介したい。

オーガナイザー挨拶・趣旨説明:大澤 昂志(阪大院薬)

[SS09-1]アンチセンス核酸の活性を向上するジペプチドリガンドの探索を目的としたin vitroスクリーニング

○大澤 昂志1、喜多 良介1、山隈 晴美2、笠原 勇矢1,2、小比賀 聡1,3 (1. 阪大院薬、2. 医薬健栄研、3. 阪大先導)

[SS09-2]安全性と有効性を両立する核酸医薬を志向したリン原子修飾キメラ型核酸の合成

○佐藤 一樹1、髙橋 裕平1、和田 猛1 (1. 東京理大薬)

[SS09-3]アンチセンス核酸搭載LNP調製のための技術改善

○田中 浩揮1,2、秋田 英万1,2 (1. 東北大院薬、2. 阪大CAMaD)

[SS09-4]レトロウイルス性疾患の根治治療を目指した新規核酸医薬の開発

○三瓶 悠1、外山 春樹1、堂野 主税2、和田 健彦3、山吉 麻子1,4 (1. 長崎大院医歯薬、2. 阪大産研、3. 東北大多元研、4. 東京科学大学生命理工)

[SS09-5]コアセルベートによるバイオ医薬の細胞膜透過促進研究

○川口 祥正1、二木 史朗1 (1. 京大化研)

[SS09-6]RNA分解誘導型アンチセンス核酸開発基盤の構築と難治性疾患への創薬展開

○笠原 勇矢1,2 (1. 医薬健栄研、2. 阪大院薬)

まとめ:笠原 勇矢(医薬健栄研)