セッション詳細

[S36]化学物質の安全性評価手法の展望と問題点

2025年3月28日(金) 16:45 〜 18:15
第5会場 (福岡国際会議場 202 [2F])
オーガナイザー:福原 潔 (昭和大院薬)、大野 彰子 (国立衛研)
化学物質の安全性評価における効率化と動物愛護の観点から、動物実験を減らし、効率的で倫理的な評価方法が求められており、動物実験代替法の必要性が世界的に推奨されている。米国では、2022年12月に米国議会で可決されたFDA Modernization Act 2.0が転換点となり、医薬品開発における動物実験の義務が廃止され、新たな評価方法が活用可能となった。このような背景のもと、NAMs、in silico、MPS、2D/3D細胞培養技術を駆使した革新的な評価手法が急速に開発されており、従来の動物実験に依存せず、より精度の高い安全性評価の提供を目指している。また、ナノマテリアルなどの新しい化学物質は、低分子化学物質とは異なるメカニズムで毒性を示す可能性があり、従来の評価手法が適用できない場合がある。このため、遺伝毒性、免疫毒性、神経毒性などの新たな評価技術が求められている。
本シンポジウムでは、安全性評価の重要な指標となるこれらの毒性評価研究に従事している専門家の先生方をお迎えし、最新の研究成果とともに、化学物質に対する新しい毒性評価手法を紹介する。また、化学物質がヒトに与える影響や、その評価方法の妥当性についても総合的に論じていきたい。

オーガナイザー挨拶:大野 彰子(国立衛研)

[S36-1]HL-60由来好中球細胞外トラップを指標とした化学物質の安全性評価

○福原 潔1 (1. 昭和大院薬)

[S36-2]マウス正常組織由来オルガノイドを用いた化学物質の遺伝毒性評価

○戸塚 ゆ加里1 (1. 星薬大)

[S36-3]重金属による神経毒性評価ー防御因子からの新たな視点

○斎藤 芳郎1 (1. 東北大院薬)

[S36-4]動物実験代替法に向けた化学物質の安全性評価手法の開発と国際動向

○大野 彰子1 (1. 国立衛研)

総括:福原 潔(昭和大院薬)