セッション詳細
[SS10]標的タンパク質分解技術の最先端
2025年3月28日(金) 13:15 〜 14:45
第6会場 (福岡国際会議場 203 [2F])
オーガナイザー:伊藤 幸裕 (阪大)、石川 文洋 (近畿大薬)
生体内のタンパク質分解機構を利用して、標的タンパク質分解を誘導する技術(targeted protein degradation:TPD)が新しい創薬モダリティとして、現在盛んに研究されている。TPDで最も良く使用されているのが、ユビキチンープロテアソーム系を利用し、標的タンパク質のユビキチン化とそれに続くプロテアソーム分解を誘導する標的タンパク質分解薬(proteolysis targeting chimera:PROTAC)であり、既に多数のPROTACの臨床研究が展開されている。さらに、近年では、PROTACとは異なる分解経路を利用したTPDの発展も著しい。例えば、オートファジー経路やプロテアーゼを介して、標的タンパク質を分解する方法論などがある。また、分解技術の概念をRNAに応用したRNA分解薬の創製研究も行われている。ただし、これら最新のTPD技術を含め、分解メカニズムに関して不明な点が多く、その解明が望まれている。このような背景から、本シンポジウムでは、TPD関連研究を展開しているシンポジストの講演を通して、従来のPROTACから最新のTPD技術に触れ、TPDの新たな方向性を探る。さらに、構造的側面から最新のTPDにおける分解メカニズム解析を行うアプローチについても議論する。
趣旨説明:伊藤 幸裕(阪大産研)
[SS10-1]創薬を指向したタンパク質・RNA分解分子の創製研究
○伊藤 幸裕1 (1. 阪大産研)
[SS10-2]標的タンパク質分解技術の拡張:凝集性タンパク質およびミトコンドリア局在タンパク質の分解誘導
○友重 秀介1 (1. 東北大院生命)
[SS10-3]創薬のためのタンパク質の動的構造解析
○岸川 淳一1 (1. 京都工繊大応用生物)
[SS10-4]細菌プロテアーゼ ClpP の機能発現機構の解明およびタンパク質分解活性評価法の構築
○石川 文洋1 (1. 近畿大薬)