セッション詳細

[S39]細胞外小胞を基盤とする疾患治療システム開発の現状と課題

2025年3月28日(金) 16:45 〜 18:15
第9会場 (福岡国際会議場 411 [4F])
オーガナイザー:西川 元也 (東京理科大薬)、高橋 有己 (京大院薬)
ヒトを含む動物に加え、植物や微生物においても、エクソソームを含む各種細胞外小胞がRNAやタンパク質などの機能性分子を内包することが明らかにされている。これらの細胞外小胞は、個体内の細胞間だけでなく、個体間や生物種、生物界を超えて輸送され、輸送先の細胞で内包分子が機能を発揮することが確認されている。この特性から、生体内外の情報伝達における重要な役割が注目されている。また、細胞外小胞はその特性を活用するため、表面をペプチドやポリマーで修飾する、または産生元の生物や細胞に遺伝子改変を施すことで機能性の向上が可能である。これにより、細胞外小胞の体内動態の制御や治療効果の向上が期待され、多様な素材から調製された細胞外小胞の医療分野での応用が注目を集めている。しかしながら、各種素材から得られる細胞外小胞の医療応用に際しては、生産性や均一性、安全性に関する課題が依然として多く存在している。特に、大規模な製造プロセスの確立や規格化、免疫応答や副作用への対応など、実用化には解決すべき問題が残されている。これらの課題を克服することで、細胞外小胞を用いた治療法の新たな展開が期待される。そこで本シンポジウムでは、多様な素材由来の細胞外小胞について最新の研究成果を共有するとともに、医療応用の実現に向けて必要な技術開発や課題解決について議論を深める場としたい。

オーガナイザー挨拶:西川 元也(東京理大薬)

[S39-1]細胞外小胞を利用した治療用製剤の開発に向けて:PMDA報告書を中心に

○髙倉 喜信1 (1. 京大白眉セ)

[S39-2]哺乳類細胞由来細胞外小胞を用いた疾患治療法の開発

○高橋 有己1 (1. 京大院薬)

[S39-3]脂質修飾細胞外小胞SPREDsによる強力な組織保護効果

○幸谷 愛1 (1. 阪大微生物病研)

[S39-4]植物由来細胞外小胞を基盤とする疾患治療システムの開発

○西川 元也1、草森 浩輔1、板倉 祥子1 (1. 東京理大薬)

[S39-5]間葉系幹細胞由来細胞外小胞製剤の実用化を目指した取り組み

○倉田 隼人1 (1. ロート製薬)

[S39-6]エクソソームを含む細胞外小胞(EV)製剤の開発推進と品質確保のためのレギュラトリーサイエンス研究

○石井 明子1、西村 仁孝1、山元 智史1、橋井 則貴1 (1. 国立衛研)

総括:高橋 有己(京大院薬)