講演情報

[OR-P-2]ヒマラヤで地学を学ぼう!

*吉田 勝1,2、学生のヒマラヤ野外実習 プロジェクト (1. ゴンドワナ地質環境研究所、2. ネパール国立トリブバン大学トリチャンドラ校)
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キーワード:

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GSJ2024 OR Poster ヒマラヤで地学を学ぼう!吉田勝1・学生のヒマラヤ野外実習プロジェクト2 今から約1億年前に南方の巨大大陸ゴンドワナから分かれた北上して来たインド亜大陸は,5500万年前に古アジア大陸南縁に衝突した.そして5500万年前から現在にかけて両大陸の衝突地帯ではドラマティックな地球規模地学事件が展開され,ヒマラヤ山脈が生まれたのである.ヒマラヤは現在も上昇しつつあり,さらに将来長きにわたって同じ動きを続けるであろう.この地球上で尤も新しくかつ活動的な山脈では,極端に鋭い地形,現在も続く急斜面の形成と絶え間ない水平方向の移動と垂直上昇の結果として,地震,地すべり,雪崩,土石流,河川洪水などの自然災害が頻繁に発生している.山脈に並行して明瞭な帯状分布を示す地形・地質と気候特徴は,各帯における自然災害の特徴・種類や大きさを支配している.ヒマラヤは山脈形成の地質過程や自然災害を学ぶ最高の自然博物館である.ヒマラヤの地学ツアーを経験した人は様々な地質過程や自然災害を目の当たりにし,地球自然への理解,さらには自身の居住地の自然への興味と理解を深めることになるであろう.ヒマラヤ8000m主稜線の北側から南に,トランスヒマラヤから高ヒマラヤ,低ヒマラヤ,亜ヒマラヤからガンジス平原までの延長200km,ヒマラヤ造山帯を構成するすべての地質帯を観察する「学生のヒマラヤ野外実習ツアー」3は2012年に始まって2024年3月には第12回目の実習ツアーが実施された.来年3月に第13回目を迎える学生のヒマラヤ野外実習ツアーは,トランスヒマラヤの標高3800mにあるヒンドウ教の聖地ムクチナートを出発点とし,カリガンダキ河に沿って歩き,さらに車で南下して標高150m,ガンジス平原にある仏教の聖地ルンビニまで,ヒマラヤ造山帯の完全横断を行なう.参加者は主に学生だが,一般市民も歓迎される.全行程に車が同行するので足の弱い人も参加でき,過去には全く歩けない人が参加して楽しんだこともある.日本発着17日間ほどで参加費は学生20万円,一般25万円以内を目標とし,過去12回の平均参加費は学生172,502円,一般222,502円であった.発表では過去12回の実習ツアーのハイライトとまとめを展示し,来年3月の第13回実習ツアーの内容を説明し,参加希望者を受付ける.
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1 ゴンドワナ地質環境研究所及びトリブバン大学トリチャンドラキャンパス地質学教室
2 世話人会:酒井哲弥(島根大,代表),吉田勝(共同代表),在田一則(北大),B.N.ウプレティ(ネパール科学技術アカデミー)
3 www.gondwanainst.org/geotours/Studentfildex_index.htm

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