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[S-O-6][招待講演]2024年能登半島地震による新潟市での液状化被害

*卜部 厚志1、片岡 香子1、西井 稜子1、河島 克久1、松元 高峰1、渡部 直喜1、新屋 啓文1、渡部 俊1、高清水 康博2、藤林 紀枝2、宮縁 育夫3 (1. 新潟大学災害・復興科学研究所、2. 新潟大学教育学部、3. 熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センター)
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キーワード:

2024年能登半島地震、液状化、新潟市

2024年1月1日に発生した能登半島地震では,新潟市西区を中心に甚大な液状化被害が発生した.新潟大学は,地元大学として被災記録を残すことを重視し,1月4日から液状化に伴う諸現象(噴砂,家屋被害,亀裂(地すべり性)分布,道路変状など)の悉皆調査を行った.この結果,液状化被害は,①砂丘斜面末端(新潟市西区青山~内野までの県道16号沿い),②信濃川の流路跡(新潟市西区ときめき~善久,江南区天野),③新潟市西区の寺尾東などの低地の盛土造成地に集中していることを明らかにした.また,これらの被害分布は,1964年以降に市街化した地区(寺尾東など)を除くと,1964年新潟地震での液状化被害分布とほぼ一致しており,再液状化していることが明らかとなった.さらに①から③の地形・地質・土地履歴の特徴から液状化被害の要因が異なることが推定できた.
 さらに新潟大学では,地区(タイプ)ごとに液状化した地層の深度や地盤強度の垂直分布などの具体的なデータが不足していることから,住宅再建にむけての基礎となる液状化した地盤の深度,表層地盤のN値分布や地下水位の基礎的な情報についてSWS試験とボーリング調査を併用した調査により液状化層に関する基礎情報の解析を行った.この結果,SWS試験とボーリング調査を併用した調査は,液状化調査に対して非常に迅速かつ効果的な方法であることを示し,調査地域の地下水位や液状化した砂層の深度分布を明らかにすることができた.この概要調査により,液状化層の深度,層相,地盤強度分布の連続性を把握することは,地域の液状化のメカニズムと街区単位での液状化防止事業の適応可能性等の把握において非常に有効であることが明らかとなった.

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