講演情報
[T10-O-4]マイカフィッシュを利用した歪量絶対値推定の試み:静岡県水窪の珪質マイロナイトの例
*増田 俊明1、鈴木 知陽2、楠 賢司3、大森 康智1 (1. 静岡大学防災総合センター、2. 静岡県危機管理部、3. 静岡大学教育学部)
キーワード:
マイロナイト、歪楕円、von Mises分布、マイカフィシュ、集中度係数
<はじめに>
中央構造線の付近には著しい変形を被ったマイロナイトが分布している。これまで剪断センスや非共軸度の見積もりは行われたことがあったが、歪の定量化はまだ行われていない。本講演では珪質マイロナイト中のマイカフィッシュを利用して歪楕円の縦横比の推定を試みる。
<決意>
岩石の不均質性を考えると、理想的状況を仮定して推定を試みること自体が非現実的かもしれないが、大体どのくらい変形したのかを不正確でもいいから見積もりたい、という強い欲求の元に本研究は行われた。
<仮定>
以下のような仮定をして強引に歪量を推定した。
(1)平面歪(2次元歪)
(2)岩石全体は均質に変形(体積変化なし)
(3)白雲母粒子は回転するが伸長しない
(4)白雲母粒子の回転はアフィン変換に従う(March, 1932)
(5)多数の雲母粒子間の相互作用は考えない
(6)変形前の白雲母の長軸は等方的に分布(κ0=0)
(7)白雲母の方位分布はvon Mises分布で近似
<κデータ>
珪質マイロナイトのXーZ薄片を作りマイカフィッシュの長軸方向の計測データからvon Mises分布の集中度係数(κ)を求めた。κの最大は104であった。
<歪の推定>
Masuda and Omori (2023)は2次元変形のあらゆる非共軸度に対してシミュレーションを行い、March (1932)のモデルを適用し、変形前に等方的に向いている50 000個の粒子に対してκの大きさと歪楕円の縦横比の関係を、歪楕円の縦横比が1から100の範囲で求めた。その歪量の範囲ではκの到達範囲は最大20程度までだったので、同様の方法で、新たにκが120程度になるまで歪を大きく取って計算し直した。
<結果>
新たに計算したκと歪の関係を利用すると、κ が100になるときの歪楕円の縦横比は~400だった。
<結果の評価>
得られた歪の値と同等の歪の議論をした研究が見当たらないので、この値がもっともらしいのかどうかわからない。今後の検討課題である。
<引用文献>
March, A., 1932.. Z. Kristall., 81, 285–297.
Masuda, T., Omori, Y., 2023. Journal of Structural Geology,
中央構造線の付近には著しい変形を被ったマイロナイトが分布している。これまで剪断センスや非共軸度の見積もりは行われたことがあったが、歪の定量化はまだ行われていない。本講演では珪質マイロナイト中のマイカフィッシュを利用して歪楕円の縦横比の推定を試みる。
<決意>
岩石の不均質性を考えると、理想的状況を仮定して推定を試みること自体が非現実的かもしれないが、大体どのくらい変形したのかを不正確でもいいから見積もりたい、という強い欲求の元に本研究は行われた。
<仮定>
以下のような仮定をして強引に歪量を推定した。
(1)平面歪(2次元歪)
(2)岩石全体は均質に変形(体積変化なし)
(3)白雲母粒子は回転するが伸長しない
(4)白雲母粒子の回転はアフィン変換に従う(March, 1932)
(5)多数の雲母粒子間の相互作用は考えない
(6)変形前の白雲母の長軸は等方的に分布(κ0=0)
(7)白雲母の方位分布はvon Mises分布で近似
<κデータ>
珪質マイロナイトのXーZ薄片を作りマイカフィッシュの長軸方向の計測データからvon Mises分布の集中度係数(κ)を求めた。κの最大は104であった。
<歪の推定>
Masuda and Omori (2023)は2次元変形のあらゆる非共軸度に対してシミュレーションを行い、March (1932)のモデルを適用し、変形前に等方的に向いている50 000個の粒子に対してκの大きさと歪楕円の縦横比の関係を、歪楕円の縦横比が1から100の範囲で求めた。その歪量の範囲ではκの到達範囲は最大20程度までだったので、同様の方法で、新たにκが120程度になるまで歪を大きく取って計算し直した。
<結果>
新たに計算したκと歪の関係を利用すると、κ が100になるときの歪楕円の縦横比は~400だった。
<結果の評価>
得られた歪の値と同等の歪の議論をした研究が見当たらないので、この値がもっともらしいのかどうかわからない。今後の検討課題である。
<引用文献>
March, A., 1932.. Z. Kristall., 81, 285–297.
Masuda, T., Omori, Y., 2023. Journal of Structural Geology,
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン