講演情報

[T15-O-14]房総半島南端に分布する海成更新統の2.17Ma付近の層準で検出された地磁気エクスカーション記録

*岡田 誠1、前田 郷1、小塚 大輝1、小西 拓海1 (1. 茨城大学)
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キーワード:

地磁気エクスカーション、古地磁気学、第四紀、房総半島

本研究では,南房総市千倉町の小松寺の脇を流れる沢沿いに露出する海成層において,Konishi and Okada (2020)によって報告されたFeni正磁極亜帯の下位層準で見られた地磁気エクスカーションの詳細を明らかにすることを目的とした.そのため,当該層準における約30mの層厚区間で見られたシルト岩層を対象に,約10cm〜1mの層厚間隔で44層準より直径2.5cmのミニコア試料を計133本採取し,岩石磁気学的実験及び古地磁気測定を行った.古地磁気測定では,Konishi and Okada (2020)によって二次磁化除去に有効なことが示されている250℃の熱消磁と段階交流消磁を組合せたハイブリッド消磁を用いた.その結果,平均磁化方位は約16°の東編を示した.この値を用いて構造回転の影響を除去し,得られた偏角・伏角からVGPの緯度・経度を求めたところ,VGP緯度が−45°から+45°の範囲となり,相対古地磁気強度(RPI)の減少が見られる地磁気エクスカーションと判断できる区間が連続して二つ存在することが確認された.当該層準で得られている酸素同位体カーブを用いた暫定的な年代モデルによると,検出された2つのエクスカーションの年代は,約2.17Ma付近と算出された.これまで当該年代付近では地磁気エクスカーションの報告はないため,今回検出された2つの連続したエクスカーションは新発見のものと考えられる. Reference:Konishi and Okada (2020) https://doi.org/10.1186/s40645-020-00352-0

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