セッション詳細

大会シンポジウム
薬剤師国家試験と薬学共用試験のあり方を考える

2025年8月24日(日) 13:30 〜 15:30
第1会場(225教室)
代表オーガナイザー:亀井 美和子(帝京平成大学薬学部)
共同オーガナイザー:高橋 秀依 (東京理科大学薬学部)
〇概要:
R4改訂版コアカリの大項目Aに記載された基本的な資質・能力は、薬剤師の生涯に亘る目標とされており、卒前卒後を通じた資質・能力の醸成が求められている。卒前と卒後の間には国家試験があり、その合格に向けた学修(大学・臨床現場での学修)がスムーズに卒後につながることは、資質・能力の効果的な醸成に寄与すると考えられる。医学教育では卒前卒後の一貫した医師養成の必要性を謡い共用試験が公的化されたが、薬学での議論はまだ広がってないない。このシンポジウムでは、卒前卒後の一貫した薬剤師養成に向けて、薬剤師国家試験と薬学共用試験がどうあるべきかを議論したいと考えている。
〇詳細:
 薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)は、学修成果基盤型教育に基づく学修目標が掲示され、学修目標にアウトカムを記載されている。基礎薬学から臨床薬学への一連の学修がより明確になり、「B社会と薬学」「G薬学研究」の位置づけ、「 C基礎薬学」と「D医療薬学」,「E衛生薬学」とのつながり,更にそれらが「F臨床薬学」にどのように発展していくのかが図で提示され、小項目の「ねらい」にも記載されている。そして、大項目Aには「薬剤師として求められる基本的な資質・能力」が薬剤師の生涯に亘る目標とされている。六年制薬学教育においては、各大学のDPを基盤とした学修が行われるが、薬剤師国家資格を有する人材育成には、入学から卒業までの学修とともに、生涯にわたる目標に向けて、卒前卒後を通じた資質・能力の醸成が求められる。卒前と卒後の間には国家試験があるが、その合格に向けた学修がスムーズに卒後につながることは、資質・能力の効果的な醸成に寄与すると考えられる。薬学教育と環境・背景が異なるものの、医学教育では卒前卒後の一貫した医師養成の必要性を謳い共用試験が公的化されたが、薬学での議論はまだ拡がっていない。このような背景から、本シンポジウムでは、卒前卒後の一貫した薬剤師養成に向けて、薬剤師国家試験と薬学共用試験がどうあるべきかを議論したいと考えている。
 厚生労働行政推進調査事業「薬剤師国家試験のあり方に関する研究」の研究代表者である小澤光一郎先生(安田女子大学薬学部教授)、薬剤師と医師の資格を有し薬学・医学教育の連携に取組まれている肥田典子先生(昭和医科大学薬学部教授)、および、職能団体のトップとして医療現場が抱える薬剤師関連の課題に向き合っておられる武田泰生先生(一般社団法人日本病院薬剤師会会長)の3名にご講演いただき、その後、太田茂先生(和歌山県立医科大学薬学部教授)を交えて、登壇者全員によるパネルディスカッションを予定している。パネルディスカッションでは、会場の皆様からのご発言も歓迎したい。

[SP-0]趣旨説明

[SP-1]薬剤師国家試験のあり方について考える―厚生労働行政推進調査事業報告―

小澤 光一郎(安田女子大学薬学部)

[SP-2]医学教育における共用試験公的化と卒前卒後一貫教育―薬学教育への示唆―

肥田 典子(昭和医科大学薬学部臨床薬学講座臨床研究開発学部門)

[SP-3]これからの薬剤師に求められる職能と資質―次世代医療への貢献―

武田 泰生(一般社団法人 日本病院薬剤師会)