日本薬学会第145年会（福岡）

共催：JSPS
オーガナイザー：斎藤 芳郎 (東北大院薬)、山田 健一 (九大院薬)、本橋 ほづみ (東北大医)

近年、解析技術の進歩により、レドックスにより制御される生命現象が新たに見いだされ、生命機能の解明や病態の解析が一層進んでいる。これまで活発に研究されてきた反応性の高い活性酸素種ROSや活性窒素種RNSに加え、これらと密接に関係する超硫黄分子種や金属など、多種多様な活性種・超分子の存在が明らかとなり、生体内のレドックス環境の理解、疾患との関与について分子レベルでの研究が飛躍的に進展している。特に、鉄依存的な脂質酸化反応を伴う細胞死“フェロトーシス”の発見以降、多様な解析方法の開発にともない、その制御因子が多数同定され、その研究成果はトップジャーナルを飾る研究領域となった。本シンポジウムでは、フェロトーシス研究のトップランナーであるMarcus Conrad博士を迎え、日本におけるレドックス超分子・フェロトーシス研究の第一人者との共同シンポジウムとして開催する。レドックス研究から発信する新たな生命の基本原理や疾患との関与、毒性学、創薬への展開について議論したい。