セッション詳細

[S02]プレシジョン栄養学から考える予防医療

2025年3月27日(木) 10:15 〜 11:45
第7会場 (福岡国際会議場 204 [2F])
オーガナイザー:菅沼 名津季 (bacterico/慶應大薬)、江木 正浩 (静岡県大)、三宅 正晃 (ファーマパック)
これまでの医療では、同一疾患を抱えるすべての患者に対して同一の治療が施されてきた。しかし、患者の体質により、同じ治療方法でも治療効果や副作用の発現に個人差が生じることが確認されている。予防医療を意識した栄養学においても同様で、一般的な栄養摂取基準に基づく指導が行われてきたが、同じ食品を摂取しても効果は個々人によって異なることが明らかになっている。したがって、現代の予防医療においては、ゲノム配列、マイクロバイオームの構成、健康歴、ライフスタイル、食事、環境要因などを総合的に分析し、個別の健康状態に応じた最適な栄養指導を提供することが求められている。
本シンポジウムでは、予防医療に関する次のトピックスについて議論を行う。ポリフェノールをはじめとする機能性食品の研究、機能性成分の標品合成や食中毒原因物質の合成を通じた食産業の安全性向上への取り組み、食事のタイミングが生体リズムに及ぼす影響を探究する「時間栄養学」の視点からの研究、そして、腸内細菌や微量栄養素の関与を解明する「精密栄養学」に基づいた食品開発とヘルスケア産業への応用である。
4名の研究者による議論を通して、予防医療におけるプレシジョン栄養学の新たな可能性を追求し、来場者との活発な意見交換を経て、「予防医療」の未来を共に拓いていくことを期待する。

シンポジウム趣旨説明:菅沼 名津季1,2(1. bacterico、2. 慶應大薬)

[S02-1]ポリフェノールの機能性食品研究

○伊東 秀之1 (1. 岡山県大保福)

[S02-2]食品中有効成分の有機合成化学的支援

○浅川 倫宏1,2 (1. 東海大海洋、2. 静岡県大薬)

[S02-3]プレシジョン時間栄養学

○田原 優1 (1. 広島大院医系科学)

[S02-4]腸内環境から考えるプレシジョン栄養学の現状と将来展望

○國澤 純1,2,3,4,5 (1. 医薬健栄研、2. 阪大院薬・医・歯・理、3. 東大医科研、4. 神戸大院医、5. 早稲田大ナノライフ)

総括:江木 正浩(静岡県大食品栄養)