セッション詳細

[S21]中分子天然物誘導体の医薬品創製を指向した構造-膜透過性-排泄トランスポーター基質性相関

2025年3月27日(木) 17:00 〜 18:30
第14会場 (福岡国際会議場 405+406 [4F])
オーガナイザー:宮地 弘幸 (東大院薬 創薬機構)、前仲 勝実 (北大院薬/九大院薬)
近年の新たな創薬モダィティとして注目されている中分子化合物において、医薬品創製を目指した実践的研究の観点からは、従来中分子化合物の開発上の課題と考えられていた細胞膜の透過性の悪さ(膜透過係数の小ささ)のみならず、さらに細胞内から細胞外へのトランスポーターを介した排泄制御の両方の視点が重要である。しかし双方の視点に立脚した実践的な研究開発は殆どおこなわれていないのが現状である。そこで、本シンポジウムでは、この双方の視点に焦点を当てた一般シンポジウムを実施する。有機合成化学研究者、生化学者、計算化学者、構造生物学研究者から構成される極めてヘテロな研究者集団からの発表により、天然中分子誘導体であるボトロマイシン類、大環状ペプチド類、エトポシド類の各種誘導体の合成、受動拡散速度、細胞膜透過速度測定、P-gp基質性測定を踏まえた、分子動力学シミュレーションによる膜透過過程の予測およびクライオ電顕解析結果を講演頂き、開発候補中分子化合物の選定において、如何に活性、膜透過性、P-gp基質性を総合評価することが重要であるかを理解頂きたい。

趣旨説明:宮地 弘幸(東大院薬 創薬機構)

[S21-1]薬膜透過性、トランスポーター基質性を考慮した、ボトロマイシン類の合成と構造展開

○岩月 正人1,2、廣瀬 友靖1,2、砂塚 敏明1,2 (1. 北里大院感染制御、2. 北里大大村研)

[S21-2]膜透過性を考慮した、シクロプロパン含有環状ペプチド類の合成と構造解析

○渡邉 瑞貴1、山﨑 祐季1、高島 悠太1、周東 智1 (1. 北大院薬)

[S21-3]中分子環状ペプチド類の脂質二重膜透過シミュレーションに基づく膜透過メカニズムの解析

○杉田 昌岳1,2 (1. 東京科学大情、2. 東京科学大中分子IT創薬研)

[S21-4]P-gp基質性評価のためのP-gp高発現細胞樹立とその中分子化合物への応用

○柏木 仁1、山田 隼大2、王子谷 健太2、佐藤 夕紀1、梨本 俊亮1、渡邉 瑞貴1、廣瀬 友靖3,4、岩月 正人3,4、砂塚 敏明3,4、金光 佳世子5、石井 真由美5、渡邊 恵里5、宮地 弘幸5、武隈 洋6、菅原 満1,6 (1. 北大院薬、2. 北大薬、3. 北里大院感染制御、4. 北里大大村研、5. 東大院薬創薬機構、6. 北大病院薬)

[S21-5]中分子化合物のP-gp基質性の構造生物学的基盤

○村田 武士1 (1. 千葉大院理)

まとめ:前仲 勝実(北大院薬)