セッション詳細

[S32]がんの治療標的探索と薬剤抵抗性への薬学的アプローチ

2025年3月28日(金) 15:00 〜 16:30
第6会場 (福岡国際会議場 203 [2F])
オーガナイザー:片山 和浩 (日本大薬)、井上 靖道 (名市大院薬)
日本における主要な死因の第1位はがんであることは周知の事実である。一方で、年齢調整死亡率ではこの20年ほどで減少に転じており、近年では粗死亡率も横ばいになりつつある。この背景にはがん治療法の進展があり、従来の「三大治療法」とされる手術、放射線療法、化学療法の改良に加え、分子標的療法や免疫療法といった新たな治療法の登場ががん治療の転換期を迎える契機となっている。この20年余りで数多くの分子標的治療薬が開発され、特に免疫チェックポイント阻害薬の登場はがん治療における「ゲームチェンジャー」として位置づけられている。これらの新薬や併用療法は、各種がん治療ガイドラインにおいて標準治療として採用され、それに伴い薬学研究や薬剤師の役割もますます増大している。
本シンポジウムでは、がん細胞の特性解明から治療標的の探索、治療薬の開発、さらに薬剤耐性の解析に至るまで薬学的アプローチを取り上げ、最新事例をもとに議論を展開する。こうした取り組みを紹介することで、若手研究者を中心としたがん研究の活性化に寄与することを目指す。がん研究の発展は、多岐にわたる分野の知識と技術を結集することで成り立っており、まさに「オール薬学」としての総合的な知識、技能、そして経験(態度)が求められることを紹介したい。

オーガナイザー挨拶:片山 和浩(日本大薬)

[S32-1]日本人患者のための創薬:保健診療で行われる遺伝子パネル検査のリアルワールドデータ利活用

○河野 隆志1 (1. 国立がん研究セC-CAT)

[S32-2]TGF-βシグナル抑制分子Transmembrane prostate androgen-induced protein (TMEPAI)のがん進展制御機構:TMEPAIを標的とした新規抗がん剤開発に向けて

○伊東 進1、中野 なおこ1、古舘 顕弥1、田代 悦1 (1. 昭和薬大生化学)

[S32-3]がんに対する標的タンパク質分解薬の開発

○大岡 伸通1 (1. 国立衛研)

[S32-4]Pan RAS G12C阻害剤としてのソトラシブの効果

○田中 伯享1 (1. 愛知がんセ)

[S32-5]プロテアソーム阻害薬不応答性を誘導するストレス適応の分子機序と治療薬開発

○井上 靖道1 (1. 名市大院薬)

[S32-6]FLT3阻害薬耐性の分子機構と耐性克服薬の探索

○片山 和浩1 (1. 日本大薬)

総合討論:井上 靖道(名市大院薬)