セッション詳細

[S33]脂質酸化依存的細胞死(フェロトーシス)研究の最前線

2025年3月28日(金) 15:00 〜 16:30
第7会場 (福岡国際会議場 204 [2F])
オーガナイザー:今井 浩孝 (北里大薬)、松沢 厚 (東北大院薬)
2012年に鉄依存性の脂質酸化を介した新規細胞死(フェロトーシス)が報告され、この10年で制御因子が次々と明らかになり、現在細胞死研究において最もホットな領域である。フェロトーシスは、虚血再灌流による疾患だけでなく、さまざまな疾患の発症に関与していることも明らかになりつつあるが、良い特異的なマーカーがないなど不明な点もまだ多く残されている。フェロトーシス実行因子の阻害剤(フェロトーシス抑制剤)は疾患の治療薬候補となること、さらにフェロトーシス誘導剤は新規抗がん剤として医薬品開発が進んでいる。日本においても脂質酸化依存的な細胞死研究において、新たな制御因子やメカニズムが明らかにされてきている。本シンポジウムでは、フェロトーシスの最終的な細胞膜崩壊に関与するチャネルの同定、フェロトーシスの脂質酸化の起点となるリソソーム機能制御、膜脂質の不飽和化を制御するACSL4の病態における炎症と細胞死の新たな制御機構、鉄の添加によりフェロトーシスを誘導できる細胞系から見出されたフェロトーシス抑制系としてのセレンタンパク質合成系制御因子PRDX6の機能、および鉄非依存性の脂質酸化を介した新規細胞死(リポキシトーシス)の制御機構について紹介し、脂質酸化依存的な細胞死における、脂質酸化の鉄依存性の違いや脂質酸化の起きる場所、細胞膜の破壊メカニズムやリン脂質の不飽和脂肪酸の意義、新たな抗酸化制御システムについての最先端の研究内容を紹介する。

[S33-1]酸化脂質の新規分子標的を介したフェロトーシス誘導メカニズム

○松沢 厚1 (1. 東北大院薬)

[S33-2]リソソームを起点とするフェロトーシス実行メカニズムの解析

○斎元 祐真1、○山田 健一1 (1. 九大院薬)

[S33-3]長鎖アシルCoA合成酵素ACSL4によるフェロトーシスを介した病態制御

○原 俊太郎1、落合 翔1、冨塚 祐希1、桑田 浩1 (1. 昭和大院薬)

[S33-4]フェロトーシスを制御する新たなセレン代謝経路の解明

○藤田 宏明1 (1. 京大院医)

[S33-5]鉄非依存性脂質酸化を介したリポキシトーシスの制御メカニズム

○今井 浩孝1 (1. 北里大院薬)