セッション詳細
[S31]生物系薬学ー環境・衛生部会ジョイントシンポジウム:若手が拓くリン脂質脂肪酸鎖の多様性が司る生命現象の理解とその衛生薬学・創薬への応用展開
2025年3月28日(金) 13:15 〜 14:45
第10会場 (福岡国際会議場 412 [4F])
オーガナイザー:平田 祐介 (東北大院薬)、清水 かほり (阪大院薬)
生体膜脂質の主要な構成成分「リン脂質」は、極性頭部だけでなく、非極性部である脂肪酸鎖にも多様な分子種が存在する。その多様性は、リモデリング酵素とよばれる代謝酵素群によって厳密に規定されており、生体膜の構成成分、膜タンパク質の機能制御、あるいは生理活性脂質(プロスタグランジンなど)の産生源として、生体恒常性の維持において重要な役割を担っている。そのため、脂質代謝異常、トランス脂肪酸などの外来性脂肪酸の摂取、酸化ストレスに伴う脂質酸化など、リン脂質脂肪酸鎖の恒常性の乱れや破綻は、炎症や細胞死を惹起し、がんや糖尿病をはじめとする諸疾患の発症や増悪に繋がる。近年の脂質解析技術の目覚ましい進歩・発展により、リン脂質脂肪酸鎖多様性の実態解明が進み、その全容が明らかになりつつある。しかしながら、その多様性がどのようにして厳密に制御されており、どのような生理的・病理的役割を担っているのかについては、未解明な点が多く残されている。
本シンポジウムでは、生物系薬学、衛生薬学の両分野で、リン脂質脂肪酸鎖の代謝酵素群、生理活性脂質、トランス脂肪酸、酸化脂質の研究領域において活躍する若手研究者が一堂に会し、最新の脂質解析技術に関する知見や研究成果を持ち寄ることで、リン脂質脂肪酸組成の多様性の意義の理解と議論を深め、その衛生薬学・創薬への応用展開を目指すことを目的とする。
本シンポジウムでは、生物系薬学、衛生薬学の両分野で、リン脂質脂肪酸鎖の代謝酵素群、生理活性脂質、トランス脂肪酸、酸化脂質の研究領域において活躍する若手研究者が一堂に会し、最新の脂質解析技術に関する知見や研究成果を持ち寄ることで、リン脂質脂肪酸組成の多様性の意義の理解と議論を深め、その衛生薬学・創薬への応用展開を目指すことを目的とする。
趣旨説明:平田 祐介(東北大院薬)
[S31-1]リン脂質脂肪酸鎖多様性を理解するための質量分析技術の開発とその応用
○可野 邦行1、青木 淳賢1 (1. 東大院薬)
[S31-2]リン脂質の代謝制御による糖尿病治療への展開
○清水 かほり1、進藤 英雄2,3、冨田 晃司4、西中 徹4、水口 裕之1,5,6,7,8 (1. 阪大院薬、2. 国立国際医療研究セ、3. 東大院医、4. 大阪大谷大薬、5. 医薬健栄研、6. 阪大国際医工セ、7. 阪大先導、8. 阪大CiDER)
[S31-3]化学物質が誘導する発がんにおけるプロスタグランジン合成酵素の役割
○佐々木 由香1、落合 翔1、遠藤 勇気2、鈴木 康友2、近藤 幸尋2、横山 知永子3、原 俊太郎1 (1. 昭和大院薬、2. 日本医大、3. 神奈川工大)
[S31-4]超硫黄分子から見る脂質酸化依存的細胞死の制御機構とその生理的意義
○安田 柊1、阿部 龍聖1、今井 浩孝1 (1. 北里大薬)
[S31-5]トランス脂肪酸の脂肪酸種多様性とその病態生理学的意義
○平田 祐介1、野口 拓也1、松沢 厚1 (1. 東北大院薬)