セッション詳細

[S42]★薬物性肝障害の最新知見と課題

2025年3月29日(土) 10:15 〜 11:45
第16会場 (マリンメッセ福岡B館 会議室1-2 [2F])
オーガナイザー:川瀬 篤史 (近畿大薬)
薬物性肝障害 (drug-induced liver injury: DILI)は発症機序により中毒性と特異体質性に分類される。中毒性肝障害は、急性肝不全のほとんどの症例を占め、用量依存的で誰にでも起こり得る。一方、特異体質性肝障害は、アレルギー反応または特定の遺伝子多型による薬物代謝や免疫応答の変動が原因と考えられており、動物実験での再現および発症の予測が困難である。ここで、特定の遺伝子多型として考慮される因子には、薬物代謝酵素、トランスポーター、免疫応答の制御因子、HLAなどが挙げられる。また、DILIは抗菌薬や解熱・鎮痛薬のみならず、漢方薬、健康食品、サプリメントなどでも見られ、さらには、免疫チェックポイント阻害薬での報告例も増加している。このような状況下、DILIの最新の知見および課題を広く共有する場を設けたく考え、本シンポジウムを企画した。近畿大薬 川瀬より、DILIリスクのひとつである反応性代謝物アシルグルクロニドについて、複数の側面での研究成果を紹介する。大阪医薬大薬 加藤先生より、インフラマソーム反応に着目した特異体質性肝障害の機序およびin vitro評価系について紹介いただく。千葉大院薬 青木先生より、HLA多型と特異体質性肝障害との関連を解析された知見を中心に紹介いただく。最後に、金沢大院薬 深見先生より、薬物代謝とフェロトーシスの解析より明らかにされたAADACという加水分解酵素と肝障害との関連を中心に紹介いただく。

趣旨説明:川瀬 篤史(近畿大薬)

[S42-1]薬物性肝障害リスクと反応性代謝物アシルグルクロニドとの関連

○川瀬 篤史1、島田 紘明1、櫻井 文教1 (1. 近畿大薬)

[S42-2]インフラマソーム活性化と特異体質性薬物性肝障害
-基礎とリアルワールドデータの融合研究-

○加藤 隆児1 (1. 大阪医薬大薬)

[S42-3]HLA多型依存的な特異体質性肝障害に関する最近の知見

○青木 重樹1、風岡 顯良1,2、伊藤 晃成1 (1. 千葉大院薬、2. 名城大薬)

[S42-4]加水分解酵素AADACのフェロトーシス抑制を介した薬物誘導性肝障害に対する新規保護的機能の解明

○深見 達基1,2 (1. 金沢大院薬、2. 金沢大ナノ生命科学研)

総括