講演情報
[T3-O-1]2030年までの自動車エンジン開発におけるSTEM・環境教育を小中学校の教育内容として考察
*竹林 知大1、竹林 克己2、青木 克顕4、竹林 大介3,6、熊野 善介5,4 (1. 山形大学/ふじのくに地球環境史ミュージアム、2. 株式会社サクラ・アイ・ディー、3. 静岡科学館るくる、4. 静岡大学、5. 宮城教育大学、6. 静岡市生涯学習センター)
キーワード:
環境教育、ダイヤモンド、エンジン、自動車、STEM教育、STEAM、地学教育
本発表では、2017年から2024年にかけて静岡大学、ふじのくに地球環境史博物館、静岡科学館および山形大学で行われた自動車エンジンと鉱物(特にダイヤモンド)の関係性に焦点を当てた教育活動について述べる。日本においては、2020年頃から文部科学省や経済産業省がSTEMやSTEAM教育の重要性を強調し始め、内閣府もSociety 5.0の実現を目指し、先端科学技術の普及を推進している。学習指導要領では、自然と人とのかかわりを子どもたちに教える事と、学習内容によっては専門機関と協力して教育活動を遂行することが言及されている。本研究では2018年にドイツDaimlerAG本社(シュトットガルト)のパワートレイン部に訪問調査し、メルセデスベンツ博物館に視察調査した。また本研究の教育実践では、2018年に静岡科学館、静岡大学および自動車会社・自動車関連会社と協力し、小学生約120名を対象にした産・学・博連携のSTEM教育ブース展示を実施した。その後、2024年山形大学(学部生約80名対象)にて、筆頭著者は自動車会社・自動車関連会社と協力し、自動車エンジン工学と鉱物の歴史および将来に関する講義や議論を実施した。 2018年頃、環境に配慮したEV車が注目を集め、自動車エンジンの衰退が予想されていたが、2024年までにエンジン技術の革新やダイヤモンド研磨技術の発展(例:ミラーボアコーティング)により、内燃機関は存続していることが示された。自動車エンジンには金属鉱物資源だけでなく、研磨用の鉱物資源も利用されており、学習者にエンジンを通じて鉱物資源の重要性を教育することができる。例えば小中学校においては、エンジンを環境破壊の一端のように取り上げてEVの普及だけを推進するのではなく、10年後の科学技術動向に即した理解と伝達が重要である。本研究発表では2018年から現在までの動向を踏まえ、地球環境教育教材としての価値を議論する。
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