講演情報

[J-P-24]アウターライズ領域における地磁気の縞模様に対応する震源分布の再現実験

*市川 高等学校1 (1. 市川高等学校)
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 研究者生徒氏名:五味万優子

 海洋プレートは,海溝からの沈み込みによるプレートの折れ曲りにより,アウターライズと呼ばれる地形的な高まりを海溝海側に形成する.アウターライズから海溝海側斜面にかけての領域では,沈み込みに伴うプレートの屈曲により海洋プレート浅部に伸張応力場が生じ,海洋性地殻を断ち切る正断層によって形成されたホルスト・グラーベン構造が発達するとともに,一般に「アウターライズ地震」と呼ばれる正断層型の地震が海洋プレート内部で発生することが知られている.日本海溝の海溝海側にあるアウターライズ領域では,プレート屈曲に関連した海底地形が様々な走向を持っている.これらの地形的特徴の走向は,ホルスト・グラーベン構造のように海溝軸に平行なものだけでなく,沈み込む太平洋プレートの地磁気の縞模様に平行なものも認められている.地磁気の縞模様とは,地球磁場の反転によってできるものである.海嶺では,出てきたマグマが冷え固まると海洋地殻の一部になる.その時,マグマに含まれる磁鉄鉱が当時の地球磁場の方向を記憶して固まるため,海洋地殻が生成時の地球磁場を記憶したままプレート運動によって海嶺から徐々に離れていき,その間にも地球磁場は反転を繰り返すために海嶺に対して平行な磁気の縞模様が出来上がる.本研究では,日本海溝のアウターライズ領域において,地磁気の縞模様に対応して震央分布がみられていることについて,アナログ実験を行い,地磁気の縞模様に対応して地震が起こるということを検証する.これにより,どの境界で破壊が起こりやすいかを推測することができると考える.実験では,シリコン製のプレート,磁鉄鉱粉末,2液性レジン,磁石を用いて磁気の縞模様をもったプレートの模型を作り,重りで力を加えて模型を割り,その割れ方を観察する.

キーワード:アウターライズ地震,地磁気の縞模様,アナログ実験