講演情報
[G-P-49]東シナ海北部における表層堆積物粒度分布の統計学的な解析に基づく空間変動とその意義
*齋藤 京太1 (1. 海上保安庁)
キーワード:
東シナ海、海底堆積物、粒度分布
東シナ海はユーラシア大陸東縁に位置する縁辺海であり,地形としては北西部の陸棚と南東部の沖縄トラフという水深変化,海洋の流れとしては黒潮や潮流,季節変化する海流といった特徴を有する.現世の堆積物はこれら様々な要因の影響を受けた運搬・堆積プロセスにより形成されていると同時に,海域によるプロセスの違いも大きいとされる(Iseki et al., 2003; 片山, 2007).東シナ海北部の海底表層堆積物については,20世紀後半の調査により類型が明らかにされていることに加え,堆積物コア中の粒度分布などに基づき,完新世における運搬過程や冬季モンスーンの強度の変化についての議論がなされてきた(e.g. Zhao et al., 2018; Wang et al., 2020).また,これまでの海上保安庁による東シナ海北部の調査からは,表層堆積物が砂からシルトを含む多峰性の複雑な粒度分布を示すこと,砂画分はおよそ水深に比例して細粒化かつ北に向けて粗粒化すること,シルト画分にも複数のピークがあり空間的に変化していることが定性的に示されている(齋藤, 2024).他方,現世における粒度分布の空間変化と観測されている運搬・堆積プロセスを関連付けるためには定量的な記載が望ましいが,粒度分布の複雑性から一般的なクラスター分析は必ずしも適切ではない.
そこで本研究では,東シナ海北部の表層堆積物の粒度分布を統計的な解析により成分に分離し,空間分布を定量的に記載することで,運搬・堆積プロセスとの関係を解釈するとともに,完新世ないし最終退氷期におけるこれらプロセスの変動を解釈するための基礎とすることを目指す.
引用文献
Iseki et al. (2003) Deep-Sea Res. II; 片山 (2007) 地質ニュース; Zhao et al. (2018) G3; Wang et al. (2020) Marine Geol.; 齋藤 (2024) 日本地質学会第131年学術大会
そこで本研究では,東シナ海北部の表層堆積物の粒度分布を統計的な解析により成分に分離し,空間分布を定量的に記載することで,運搬・堆積プロセスとの関係を解釈するとともに,完新世ないし最終退氷期におけるこれらプロセスの変動を解釈するための基礎とすることを目指す.
引用文献
Iseki et al. (2003) Deep-Sea Res. II; 片山 (2007) 地質ニュース; Zhao et al. (2018) G3; Wang et al. (2020) Marine Geol.; 齋藤 (2024) 日本地質学会第131年学術大会
