セッション詳細
シンポジウム9
卒前・卒後におけるEBM教育の課題と展望
―大学・薬局・病院それぞれの問題点から、更なる発展の糸口を探る―
2025年8月24日(日) 13:30 〜 15:30
第4会場(442教室)
代表オーガナイザー:田村 亮(神戸市立医療センター中央市民病院 薬剤部)
共同オーガナイザー:今井 真穂(薬樹株式会社)
共同オーガナイザー:今井 真穂(薬樹株式会社)
〇概要:
EBMは患者個々が抱える臨床疑問に対し,個別最適化を目指す手法および行動指針である。薬学教育モデル・コア・カリキュラムにもEBM教育が明記され,重要性は高まっている。徐々に教育実践が報告されている一方で,教育の温度差が大きく,広く普及していない現状がある。本領域の普及,発展を目指し,臨床・大学の立場から普及しない問題点の共有および教育実践の紹介を通して,教育が拡がる議論を展開していきたい。
EBMは患者個々が抱える臨床疑問に対し,個別最適化を目指す手法および行動指針である。薬学教育モデル・コア・カリキュラムにもEBM教育が明記され,重要性は高まっている。徐々に教育実践が報告されている一方で,教育の温度差が大きく,広く普及していない現状がある。本領域の普及,発展を目指し,臨床・大学の立場から普及しない問題点の共有および教育実践の紹介を通して,教育が拡がる議論を展開していきたい。
〇詳細
エビデンスに基づく医療(Evidence Based Medicine,EBM)は、患者個々の臨床疑問に対し、患者価値観を踏まえた上で科学的根拠を活用して最適な判断を導くための手法である。この行動指針は医療専門職にとって必要不可欠であり、患者アウトカムの改善を図れる手段の一つである。その重要性は薬剤師においても年々高まっており、薬学教育モデル・コア・カリキュラムにおいてもEBM教育が明記されている。これにより大学教育におけるEBM教育の導入や授業実践が進みつつあり、一部では教育成果の報告も見られるようになった。
しかし実際には、卒前教育での実装状況には大きなばらつきがあり、カリキュラムへの組み込みの度合いや教育手法、教員の理解や指導力に差が生じている。また、卒後教育の場においてもEBMの体系的な教育は十分に整備されておらず、薬剤師として臨床現場に出た後に「どのように問題点を見つけるのか」「臨床疑問をどう解決に導くか」「その後の評価はどうしたら良いのか」といったEBMの基本的姿勢やスキルが継続的に習熟する教育の仕組みは限定的である。このため、卒前教育で学んだ知識が定着・発展せず、実践の場に活かされにくいという課題が生じている。
本シンポジウムでは、大学教員と病院・薬局薬剤師である各演者が取り組んでいるEBM教育の事例紹介や普及の障壁を共有する。それぞれの内容を踏まえ、薬剤師がEBMを実践可能とする学習環境を整えるために、卒前・卒後を通じた継続的かつ実践的な教育のあり方について議論する。薬学におけるEBM教育の持続可能な普及と質的向上に向けた方策を参加者とともに模索したい。
エビデンスに基づく医療(Evidence Based Medicine,EBM)は、患者個々の臨床疑問に対し、患者価値観を踏まえた上で科学的根拠を活用して最適な判断を導くための手法である。この行動指針は医療専門職にとって必要不可欠であり、患者アウトカムの改善を図れる手段の一つである。その重要性は薬剤師においても年々高まっており、薬学教育モデル・コア・カリキュラムにおいてもEBM教育が明記されている。これにより大学教育におけるEBM教育の導入や授業実践が進みつつあり、一部では教育成果の報告も見られるようになった。
しかし実際には、卒前教育での実装状況には大きなばらつきがあり、カリキュラムへの組み込みの度合いや教育手法、教員の理解や指導力に差が生じている。また、卒後教育の場においてもEBMの体系的な教育は十分に整備されておらず、薬剤師として臨床現場に出た後に「どのように問題点を見つけるのか」「臨床疑問をどう解決に導くか」「その後の評価はどうしたら良いのか」といったEBMの基本的姿勢やスキルが継続的に習熟する教育の仕組みは限定的である。このため、卒前教育で学んだ知識が定着・発展せず、実践の場に活かされにくいという課題が生じている。
本シンポジウムでは、大学教員と病院・薬局薬剤師である各演者が取り組んでいるEBM教育の事例紹介や普及の障壁を共有する。それぞれの内容を踏まえ、薬剤師がEBMを実践可能とする学習環境を整えるために、卒前・卒後を通じた継続的かつ実践的な教育のあり方について議論する。薬学におけるEBM教育の持続可能な普及と質的向上に向けた方策を参加者とともに模索したい。
[SY9-0]趣旨説明
[SY9-1]大学教育におけるEBMトレーニングの実践―学部・実務実習・卒後教育を通して何ができるか―
上田 昌宏(摂南大学薬学部)
[SY9-2]卒前・卒後におけるEBM教育の課題と展望―若手薬剤師としての「EBM実践のリアル」―
田渕 宏典(神戸市立医療センター中央市民病院 薬剤部)
[SY9-3]薬局EBMの実践―Step 1とStep 4による対人業務の推進―
今井 真穂(薬樹株式会社 薬樹薬局 ライフ溝口店)
[SY9-4]病院薬剤師におけるEBM教育の課題と展望―卒前・卒後教育を通じた実践力向上への試み―
津田 泰正(聖路加国際病院 薬剤部)