講演情報
[T13-O-17]栃木県茂木町周辺に分布する中川層群山内層と茂木層の層序関係と年代
*細井 淳1、小坂 日奈子1、岩野 英樹2,3、檀原 徹2、平田 岳史3 (1. 茨城大学理学部地球環境科学領域、2. 株式会社京都フィッション・トラック、3. 東京大学大学院理学系研究科附属地殻化学実験施設)
キーワード:
中新世、U-Pb、ジルコン、棚倉断層帯、日本海拡大
栃木県茂木町周辺に分布する中川層群山内層と茂木層については,その層序関係と年代が明確になっていない.しかし,両層の年代層序の解明は栃木~茨城県にかけての前弧側地域における日本海拡大時のテクトニクスの議論に重要なデータとなる.本研究では野外地質調査及びジルコンU–Pb年代測定によって,山内層と茂木層の境界年代とその層序関係について検討した.野外地質調査の結果からは,山内層と茂木層は時間ギャップがないことが考えられた.また,茂木層下部の珪長質火山砕屑岩から約17 MaのジルコンU–Pb年代値が得られた.これらの結果から,山内層と茂木層の境界に地質学的な時間ギャップはほとんど無いものと考えられ,その境界年代は17 Ma頃であったと考えられる.茂木層の珪長質火山砕屑岩の年代は,調査地東方の棚倉断層帯沿いに分布する珪長質火砕岩と一致する.両者が同一起源ならば,17 Ma頃に棚倉断層帯西側の足尾帯分布地域で大規模な珪長質火山活動が生じた可能性を示唆する.
