講演情報

[2Bp-10]食餌性バニリン酸は卵巣摘出マウスの閉経後症状を予防する

*田中 照佳1,2、福田 隆志1,2,3、安藤 正史1,2 (1. 近大農・水産、2. 近大院農・水産、3. アグリ技研)
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キーワード:

バニリン酸、閉経後症状、卵巣摘出マウス

【目的】閉経後女性は、骨粗鬆症、肥満、糖尿病といった代謝性疾患の発症リスクが増大する。老齢人口の増加に伴いその患者数は増加しており、我が国の医療費を圧迫することから、食品による閉経後症状の予防が嘱望されている。骨粗鬆症予防のために、様々な食品素材や食品成分の効果が検討されているが、決定的なものは見出されていない。現在、主に推進されている食品素材は大豆イソフラボンである。しかし、大豆イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンと類似した構造を有すため、過剰摂取による副作用として乳ガンや子宮ガンの発症リスクを高める危険性がある。したがって、閉経後症状疾患の発症の予防に有効であり、かつ安全性の高い食品素材や食品成分を探索することが嘱望されている。バニリン酸(VA)は、生薬「当帰」(Angelica acutiloba)やシイタケ(Lentinula edodes)の菌糸体に含まれるフェノール化合物で、ラジカル消去活性等の生理活性が報告されている。この化合物はエストロゲン受容体への親和性を示さないことから、安全に閉経後疾患を予防する可能性がある。そこで、本研究では閉経後疾患モデルマウスである卵巣摘出(OVX)マウスにおけるバニリン酸の効果を検討した。
【方法】10週齢のOVXマウスに、普通食またはVA含有食(100 mg/kg/day)を10週間摂取させた。尿中デオキシピリジノリン(DPD)量と血糖値は市販キットにより定量した。血中酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(TRAP)活性はp-ニトロフェニルりん酸二ナトリウムを基質とした比色法により測定した。骨密度(BMD)の算出はX線CTにより測定した。
【結果】食餌性VAは、尿中DPDおよび血中TRAP活性の低下と相関し、大腿骨のBMDの低下を有意に抑制した。また、食餌性VAは、卵巣摘出対照群と比較して、血糖値および白色脂肪組織(WAT)重量の増加を減少させた。さらに、これらの有益な効果により、子宮肥大は認められなかった。これらの研究結果から、VAはエストロゲン作用なしに卵巣摘出マウスの閉経後症状を遅らせる可能性があることが示唆された。

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