講演情報

[2Ip07]雲丹の膜構造損傷を抑制するエタノール/ドライアイス急速凍結‑凍結乾燥法

*塙 宗継1、大倉 修士2、石川 眞理子2、影山 直司2 (1. 山梨大学・医・解剖、2. ピックルスコーポレーション)
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キーワード:

ウニ、急速凍結、凍結乾燥

【目的】雲丹(ウニ生殖腺)は凍結時に膜構造が破壊されやすく,内容物流出によって品質が著しく低下するため,高品質な冷凍保存法の確立が求められている.本研究では,エタノール/ドライアイスによる2–3 秒の急速凍結と凍結乾燥処理を組み合わせることで,膜損傷を抑制できるかを組織学的および超微形態学的に評価し,膜構造保持に対する有効性を検討した.
【方法】ムラサキウニHeliocidaris crassispina由来の生殖腺をエタノール/ドライアイスで2–3秒の急速凍結を行なった.生殖腺に付着したエタノールを除去するため,ペーパータオルに乗せて-30˚Cで3日間静置保管した.組織学解析用には,生殖腺を4%ホルマリン固定,エタノール脱水,リモネン置換,パラフィン包埋後,5 µm切片をHE染色した.透過型電子顕微鏡解析用には,生殖腺を2.5%グルタールアルデヒド固定,1%オスミウム酸後固定,エタノール脱水,アセトン置換,エポキシ樹脂包埋後に70 nm超薄切片を透過型電子顕微鏡(JEM 2100F, JEOL)で観察した.走査型電子顕微鏡解析用には,生殖腺を2.5%グルタールアルデヒド固定,1%オスミウム酸後固定,エタノール脱水,t-ブチルアルコール置換後に凍結乾燥し,白金パラジウムコーティングを行ない,走査型電子顕微鏡(JSM-6510, JEOL)によって観察した.凍結乾燥は,冷凍状態の生殖腺を凍結乾燥器FreeZone 6 L(Labconco)で-40 °C,3.3 × 10-2 mbar,24 hの条件で行った.その後,1ヶ月間除湿保管してから親水化を行ない,上述した方法と同様の解析を行なった.
【結果】 HE 像では急速凍結群で氷晶形成が抑制され,生殖腺の膜構造の損傷が低減されていることが明らかとなった.また,凍結乾燥後に親水化した生殖腺も膜構造が保持され,身崩れはほとんど見られなかった.電子顕微鏡による解析では,生殖腺の膜構造に微細な崩壊が認められたものの,エタノール/ドライアイス急速凍結と凍結乾燥の連続処理は,雲丹の膜構造損傷を抑制する手法として有望である可能性が示唆された.

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