講演情報
[2Jp06]架橋ゼラチン溶液がとろみを示す温度範囲の拡張
*宇田川 孝子1、遠藤 輪1 (1. (地独) 東京都立産業技術研究センター)
キーワード:
介護食、とろみ剤、ゼラチン、酵素架橋
【目的】難消化性多糖類を主成分とするとろみ剤は,飲み込む力が弱まった要介護者の嚥下をサポートするために用いられる.その一方で,このとろみ剤は一緒に摂取する食品の消化・吸収性を低下させ,要介護者の栄養状態を悪化させる可能性が指摘されてきた.そこで,我々は栄養的価値を付与するために,ゼラチンを主成分としたとろみ剤の作製に取り組んできた.ゼラチンには,温度低下すると粘度が上昇するという性質があるため,料理が冷めた際には嚥下しやすい性質が失われてしまう.このため,酵素架橋を活用し,その反応プロセスを工夫することで,広い温度範囲で嚥下しやすい粘度を示すゼラチン溶液の作製を試みた.
【方法】ウシ由来ゼラチン溶液にタンパク質架橋酵素のトランスグルタミナーゼを作用させた.この際,(1)低濃度ゼラチン溶液に酵素を作用させたBatch反応,(2)高濃度ゼラチン溶液に酵素を作用させながら経時的に希釈したSemi-batch反応の2種類の反応プロセスで架橋ゼラチン溶液を調製した.これらの反応プロセスの違いが粘度の温度依存的変化に与える影響を評価した.
【結果】Semi-batch架橋ゼラチンのほうが広い温度範囲で嚥下に適した粘度を示しており,室温程度まで冷めても粘度が大幅に上昇することはなかった.同程度の粘度のサンプルの側鎖アミノ基の検出量から求めた架橋度を比較すると,Batch架橋ゼラチンよりSemi-batch架橋ゼラチンのほうが高い架橋度を示した.したがって,反応プロセスによって架橋形成の数や部位が異なると考えられる.また,0.01~100 Hzの領域の貯蔵弾性率は, Semi-batch架橋ゼラチンのほうが高かったことから,分子の絡み合いが多い構造であることが示唆された.以上の結果から,反応プロセスを工夫することにより,広い温度範囲で嚥下しやすい粘度を示すゼラチン溶液を作製できる可能性が示された.
【方法】ウシ由来ゼラチン溶液にタンパク質架橋酵素のトランスグルタミナーゼを作用させた.この際,(1)低濃度ゼラチン溶液に酵素を作用させたBatch反応,(2)高濃度ゼラチン溶液に酵素を作用させながら経時的に希釈したSemi-batch反応の2種類の反応プロセスで架橋ゼラチン溶液を調製した.これらの反応プロセスの違いが粘度の温度依存的変化に与える影響を評価した.
【結果】Semi-batch架橋ゼラチンのほうが広い温度範囲で嚥下に適した粘度を示しており,室温程度まで冷めても粘度が大幅に上昇することはなかった.同程度の粘度のサンプルの側鎖アミノ基の検出量から求めた架橋度を比較すると,Batch架橋ゼラチンよりSemi-batch架橋ゼラチンのほうが高い架橋度を示した.したがって,反応プロセスによって架橋形成の数や部位が異なると考えられる.また,0.01~100 Hzの領域の貯蔵弾性率は, Semi-batch架橋ゼラチンのほうが高かったことから,分子の絡み合いが多い構造であることが示唆された.以上の結果から,反応プロセスを工夫することにより,広い温度範囲で嚥下しやすい粘度を示すゼラチン溶液を作製できる可能性が示された.
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