講演情報

[2Mp03]X線小角散乱法を用いた脱脂乳の凝乳過程の解析

*野々村 玲男1、大沼 正人1、藤井 智幸2、太田 健司2 (1. 北海道大学、2. 雪印メグミルク株式会社)
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キーワード:

脱脂乳、コロイド状リン酸カルシウム、カゼインミセル、X線小角散乱法

[目的] 乳の構造研究において,ミセルのネットワーク構造形成については電子顕微鏡により,重要な情報が多数得られている.乳の構造中,最も微細な分散相であるCCPについてはミセル内部に取り込まれた数ナノメートルの構造であるため,既往の研究例は極めて少ない.そこで我々は,水を含んだ状態のままで,非破壊的にナノメートルスケールからミクロンスケールまでの分散状態の情報が得られるX線小角散乱法(SAXS)を用いて,還元乳からの凝乳過程を連続的に追跡し,ミセルの分散状態とCCPについて両者を対応させながら発酵中の内部構造変化の測定を試みた.これを変性ホエイタンパク量の異なる脱脂乳,還元乳製造後の前処理の異なる還元乳について実施し,乳の殺菌工程やその後の処理による影響を検討した. 【方法】 試料は変性ホエイタンパク量が少ない殺菌乳LHとその量が多いHH乳を用いた.X線小角散乱(SAXS)測定とX線極小角散乱(USAXS)測定にはMoを線源とする実験室系の装置(どちらもリガク製)を使用した.前者は50nm以下の主としてCCPの分散状態,後者は50nmから数μmまでの種としてカゼインミセルの分散状態を測定可能である.試料は10%の還元乳をビーカー内で調整後,乳酸菌を0.01%濃度で投入し,直径12mm,厚さ5mm,体積0.57ccのサンプルセルに充填後,直ちに測定装置に投入し,SAXSでは30分間の積算,USAXSではスキャン時間34分でどちらも30℃で最大17時間の測定を行った. 【結果】 SAXSおよびUSAXSプロファイルには半径34nmCCP, 半径60nm80nmカゼインミセル,短軸半径200nm700nm以上のカゼイン凝集体に対応する散乱が見られ,それらを各粒子の形状因子を用いた粒子モデルによりfittingを行なった.

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