講演情報
[2Mp06]脱脂粉乳製造時の粉体化工程がレンネットゲル化性および加温時の離水性に及ぼす影響
*小野 航1、安藤 浩貴2、林 美菜萌2、岡 大貴3、野口 智弘1 (1. 東京農大・応生・食加技セ、2. 東京農大・院・農化、3. 東京農大・応生・農化)
キーワード:
脱脂粉乳、レンネット、カゼイン、チーズ
【目的】脱脂粉乳はバターや生クリームの製造時に副産物として出てきた脱脂乳を殺菌,濃縮,噴霧乾燥を経ることで粉体化された乳製品である.一般的に,脱脂粉乳は低温殺菌を施して製造された製品であっても,レンネットによる凝乳性が低温殺菌乳と比較して低いことから,ナチュラルチーズの製造には不向きであると認識されている.脱脂粉乳の製造工程に特有である濃縮および噴霧乾燥工程は殺菌工程と比較するとその熱履歴は低く,乳成分へ及ぼす影響は少ないと考えられているが,これらの工程で生じる変化や加工特性に及ぼす影響は不明な点も多い.従って,本研究では濃縮および噴霧乾燥といった粉体化工程で生じる乳タンパク質やカルシウムの変化を調査するとともに,それら変化がナチュラルチーズ製造におけるレンネットゲル化性および加温時の離水性に及ぼす影響について検討を行った.【方法】大学併設農場より入手した生乳から脱脂乳を調製し,脱脂乳を65℃,30分間加熱した後に,加熱濃縮,噴霧乾燥を施し,それら各工程で分取したものを試料とした.各試料に対して遠心分離を施し,カゼインミセルを沈降させて得られた可溶性画分をICPに供し,可溶性カルシウムの定量を行った.また,各試料のWPNIを測定した.ゲル化性,離水性の評価は各試料にレンネットを添加し,32℃で反応させて調製したゲルの破断強度解析および破断後のゲルを加温(40℃)した際の離水を定量することで評価した.さらに,可溶性画分を用いて再構成乳を調製し,同様に試験した.【結果】脱脂乳は濃縮および噴霧乾燥工程を経ることで,可溶性カルシウムの減少およびホエータンパク質のわずかな変性が認められた.また,それに伴いゲルの強度と加温時の離水量が有意に低下した.さらに,可溶性画分を用いて再構成乳を調製し試験したところ,濃縮工程における可溶性カルシウムの低下がゲル強度および離水性の低下に大きな影響を及ぼしていることが示唆された.
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