講演情報
[2Mp09]レトルト殺菌と酸素が保存中の牛肉ミートボールの肉色に及ぼす影響
*稲田 有美子1、田渕 雅夫2、野本 豊和3,4、水野谷 航5、坂田 亮一5、竹田 志郎5 (1. (公財)東洋食品研究所・加工制御、2. 名古屋大・シンクロトロン光研究センター、3. あいちシンクロトロン光センター、4. (公財)科学技術交流財団、5. 麻布大・獣医)
キーワード:
牛肉、ピンキング、酸素、酸化還元反応、レトルト殺菌
【目的】食肉の容器詰食品において,十分に加熱された食肉製品の断面が赤い色調を示す場合(ピンキングと呼称)があり,加熱不十分ではないかと消費者に不安を感じさせることがある.この解決策やメカニズム解明に向けた様々な研究が行われているが,食肉におけるレトルト殺菌とピンキングに関する知見は少ない.本研究では,レトルト殺菌および酸素が牛肉ミートボールの貯蔵中の肉色に及ぼす影響について検討した.
【方法】牛挽肉に対して1%重量の塩化ナトリウムを添加し,混捏後,25gずつ球状に成形した.沸騰水中で10分間加熱後,水中で冷却し,アルミ積層レトルトパウチに1個ずつ充填した.真空包装後,酸素と窒素からなる標準ガス(酸素濃度0,10,21,50,100%)をシリンジで50mL封入後,再度ヒートシールし,120℃でF0=6~9分間レトルト殺菌した(SIMULATOR RETORT H130-C110,東洋製罐㈱製).殺菌後,評価まで23℃の恒温庫で保管した.経時的な外観変化および12週間保存後の製品の色調,pH,酸化還元電位(ORP),チオール基濃度,カルボニル量を測定した.加えて,XAFSスペクトルより製品の鉄の価数を評価した.
【結果】酸素21%存在下のミートボールは他の製品に比べ,断面中心が顕著にピンク色を呈し,a*値が有意に増加した.一方,断面外側は褐色化した.この現象から本条件においてピンキング現象が再現できたと考えられた.pHは中心と外側で差はほとんど変わらなかったが,中心のORP値は外側に比べて有意に低かった.従って,ピンク化した製品の中心は外側よりも還元状態にあると示唆された.また,レトルト殺菌後の製品による酸素消費量,チオール基濃度,カルボニル量,および鉄の価数の結果から,製品の外側における塩溶性タンパク質の酸化が進んでいると示唆された.以上より,本研究で観察されたミートボール中心のピンキング現象は貯蔵中の製品の酸化還元状態の変化に起因することが考えられた.
【方法】牛挽肉に対して1%重量の塩化ナトリウムを添加し,混捏後,25gずつ球状に成形した.沸騰水中で10分間加熱後,水中で冷却し,アルミ積層レトルトパウチに1個ずつ充填した.真空包装後,酸素と窒素からなる標準ガス(酸素濃度0,10,21,50,100%)をシリンジで50mL封入後,再度ヒートシールし,120℃でF0=6~9分間レトルト殺菌した(SIMULATOR RETORT H130-C110,東洋製罐㈱製).殺菌後,評価まで23℃の恒温庫で保管した.経時的な外観変化および12週間保存後の製品の色調,pH,酸化還元電位(ORP),チオール基濃度,カルボニル量を測定した.加えて,XAFSスペクトルより製品の鉄の価数を評価した.
【結果】酸素21%存在下のミートボールは他の製品に比べ,断面中心が顕著にピンク色を呈し,a*値が有意に増加した.一方,断面外側は褐色化した.この現象から本条件においてピンキング現象が再現できたと考えられた.pHは中心と外側で差はほとんど変わらなかったが,中心のORP値は外側に比べて有意に低かった.従って,ピンク化した製品の中心は外側よりも還元状態にあると示唆された.また,レトルト殺菌後の製品による酸素消費量,チオール基濃度,カルボニル量,および鉄の価数の結果から,製品の外側における塩溶性タンパク質の酸化が進んでいると示唆された.以上より,本研究で観察されたミートボール中心のピンキング現象は貯蔵中の製品の酸化還元状態の変化に起因することが考えられた.
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