講演情報
[P030]高圧処理ニンジンの保存中における遊離アミノ酸含量及び力学物性の変化
*星野 陽紀1、藤井 智幸1、石川 大太郎1、楊 嘉敏1 (1. 東北大・院農学研究科)
キーワード:
高圧処理、ニンジン、力学物性、遊離アミノ酸
【背景・目的】細胞生物素材である食品が高圧処理されると細胞膜が壊れ細胞内外の物質移動が促進される。それにより酵素が非局在化し生理的条件下では生じにくい反応が進行することが知られている。本研究ではニンジンに高圧処理を施すことで保存期間中に特異的に増える遊離アミノ酸及び総遊離アミノ酸含量について検討を加えた。またそれほど着目されてこなかった除圧後の保存中における力学物性の変化について実験的に検討を加えた。【方法】ニンジンを8mmφ×100㎜の円筒状にくり抜きポリエチレンバックに入れた後、減圧シールし、500MPa、25℃、10minの高圧処理を施した。得られた高圧処理ニンジンを、4℃で0~4日保存した。その後、高圧処理ニンジンの水分含量を測定した。ニンジン試料を破砕し遠心分離を行って得られた上清を限外濾過し、アミノ酸分析に供した。アミノ酸分析はダブシル試薬を用いて誘導化を行いHPLCを用いて遊離アミノ酸組成を測定した。力学物性に関しては10mm角に成形圧縮試験を行った。併せて水溶性ぺクチン及び陽イオン結合性ペクチンを抽出し含量及び重量平均分子量を求めた。【結果】高圧処理ニンジンの遊離アミノ酸含量は高圧処理直後ではそれほど変化を見られなかったが、保存2日目から増加し、保存4日目には約3倍に増加した。主にL-アラニン、L-アルギニン、GABAなどの遊離アミノ酸含量に変化が見られた。除圧後の保存期間中にタンパク質が分解され、遊離アミノ酸量が増加したものと考えられた。また、L-シトルリンが著しく増加した。L-シトルリンは尿素回路で合成されることから、二次代謝系にも細胞膜破壊の効果が及んでいることが示された。ニンジンの力学物性は、高圧処理によって軟らかくなった。これは、植物組織に高圧処理を施すと細胞膜が破壊され膨圧が消失したためと考えられた。
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