講演情報
[P045]脳神経細胞を用いたエルゴチオネインの脳機能調節作用機序の解明
*中村 紗彩1、史 彩月1、松井 利郎2 (1. 九大・院・生資環、2. 九大・院・農)
キーワード:
エルゴチオネイン、脳由来神経栄養因子(BDNF)、認知機能、脳機能調節作用
【目的】エルゴチオネイン(EGT)はキノコや発酵食品に含まれる食品由来の含硫アミノ酸である。これまでに、ヒトや動物試験においてEGT 摂取による認知機能改善作用が報告されているが、その詳細なメカニズムについて未だ不明である。本研究では、マウス脳由来神経細胞を用い、EGTの脳機能調節作用機序を解明することを目的とした。【方法】マウス脳由来神経幹細胞NE-4Cをレチノイン酸により神経細胞へと分化誘導したものを使用した。EGT(1–100 μM:48 h)を処理後、細胞内の脳機能関連タンパク質の発現量ならびに細胞内カルシウム濃度 [Ca2+]iのリアルタイム測定を実施した。【結果】神経細胞に対するEGT処理はBDNFならびにp-CREB/CREBの発現量を有意に増大させた(p < 0.01 vs Control)。また、EGT処理は一過性[Ca2+]i上昇を引き起こしたが、当該作用は有機カチオントランスポーター1(OCTN1)の阻害ならびにIP3受容体(IP3R)の阻害により消失した。さらに、L-ヘルシニン、ヒスチジン、および2-メルカプト-L-ヒスチジンを用いた構造活性相関解析により、EGTのトリメチルアンモニウム基が当該作用に重要であることが示された。以上により、食品由来アミノ酸EGTは、脳神経細胞においてOCTN1を介して細胞内へと取り込まれ、IP3Rを介したCa2+-CREB/BDNF系シグナルの活性化を引き起こすことで、脳機能調節作用を有することが明らかとなった。
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