講演情報

[P065]未利用資源ダイコン葉に含まれるケルセチン・ケンフェロール含有量の変動機構の解明

*山内 雄太1、安藤 聡1,2、上田 浩史1 (1. 農研機構 野菜花き研究部門、2. 愛知淑徳大学 食健康科学部)
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キーワード:

ダイコン、未利用資源、ケルセチン、ケンフェロール

【目的】ダイコンは我が国の指定野菜の一つであり,出荷量は約96万トンに達する(1).主に根が食用となる一方で,葉は流通過程で大部分が廃棄されており,その量は年間約20万トンと推定される.これまでに演者らは,ダイコンの葉にフラボノイドの一種であるケルセチンとケンフェロールが多く含まれることを明らかにした.両成分の含有量には季節変動があることが示唆されているが,その詳細には不明な点が多い.そこで本研究では,露地ほ場と人工気象室での栽培試験によって,両成分の変動機構を明らかにすることを目的とした.
【方法】ケルセチンとケンフェロールの含有量は,既報(2)に記載の方法で測定した.露地栽培には外観や抽だい時期が異なる6品種を供試し,2023年9月から2025年2月にかけて計7回,農研機構野菜花き研究部門(三重県津市)で実施した.人工気象室の栽培では,生育後期の気温や光強度が両成分の含有量に及ぼす影響を確認するとともに,10種類のフラボノイド合成系関連遺伝子の発現量をRT-qPCRで測定した.
【結果】露地栽培に供したすべての品種で,収穫日が秋から冬になるにつれて,ケルセチンの含有量は増加し,ケンフェロールの含有量は減少する傾向にあった.また,6月に収穫した個体では両成分で高い含有量を示した。人工気象室での栽培試験では,低温で栽培した個体でのみ徐々にケルセチンが増加し,この増加には低温に加えて一定の光強度が必要であることが判明した.また,低温で栽培した個体ではコントロールと比較して,ケンフェロールからケルセチンへの生合成に関わるFlavonol 3-hydroxylaseの発現量が顕著に増加していた.これらの結果より,秋から冬にかけて確認された両成分の変動には,栽培時の気温が影響していると考察された.今後は,6月に収穫した個体で両成分の含有量が増加した原因を,総フラボノイド量の測定やRT-qPCRによって明らかにする予定である.
(1) 令和5年度野菜生産出荷統計,農林水産省
(2) Yamanouchi et al., FSTR, in press, 2025

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