講演情報

[P081]マイクロ波によるエマルションゲルの物性制御と 3D プリンティング

*隠岐 香乃沙1、井手 綺音1、Maamoun Ibrahim2、椿 俊太郎2、井倉 則之2 (1. 九大・院・生資環、2. 九大・院・農)
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キーワード:

エマルションゲル、3Dプリント、高周波加熱、マイクロ波加熱

〔目的〕
 エマルションゲルは、親油性香気成分付与による風味増強や油脂添加による滑らかさの向上が期待され、咀嚼嚥下困難者に適した食品として注目されている。また、ゲル状食品の成型には3Dプリンタが有効であり、介護食の開発へ応用されている。咀嚼嚥下困難者用食品では規格基準内の物性調節が求められるが、従来の外部加熱によるゲル化法では、加熱に時間を要し物性の調節が困難であった。そこで本研究では、高周波(RF:200 MHz)およびマイクロ波(MW:915 MHz、2.45 GHz)による短時間・内部加熱技術を用い、エマルションゲルの物性および保水力の制御を試みた。また、RF/MW加熱機構搭載3Dプリンタを開発し、成形と物性制御の同時実現を目指した。
〔方法〕
 Tween80水溶液(1%)にキサンタンガム(0.5%)および卵白アルブミン(EP)(7.5%)を溶解し、エマルション(油相体積分率0.10)とMgCl₂(2%)を加えエマルション含有EP溶液を得た。これを試験管に5 mL充填し、通常加熱・RF・MWにより70℃で加熱しゲル化した。得られたゲルのかたさ・付着性・凝集性をレオメーターで、保水力を遠心分離により測定した。また、示差走査熱量測定(DSC)でエマルションゲルのタンパク質変性を、同軸プローブ法で試料に含まれる成分のマイクロ波吸収特性を評価した。さらに、LEGO Mindstorms EV3によりRF/MW搭載3Dプリンタを作製し、ゲルの造形を行った。
〔結果〕
 200 MHzで作製したゲルは規格基準Ⅲ(3×10²~2×10⁴ N/m²)のかたさを示し、保水力は82.8%と最も高かった。915 MHzと2.45 GHzでは、規格基準Ⅰ(2.5×10³~1×10⁴ N/m²)を満たし、保水力はそれぞれ66.7%、54.7%であった。DSCにより、200 MHzでは全てのタンパク質が変性していた。同軸プルーブ法では、EPおよびMgCl₂水溶液が200 MHz帯で高い応答性を示し、200 MHzは選択的加熱が可能であることからゲルの物性や保水力が向上したと考えられた。さらに、RF/MW搭載3Dプリンタにより、加熱と同時にゲルを造形でき、物性と形状の同時制御が可能であることが明らかとなった。

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