講演情報

[P090]霞ヶ浦産シラウオに関する研究 IV
ー長期冷凍保存によるドリップ率とk値への影響ー

*戸川 敬太1、伊藤 一郎2、花形 将史3、勢司 裕崇3、鈴木 周也3、福田 隆志1、田中 照英1、安藤 正吏1 (1. 近畿大・院、2. なめがた地域活性化協議会、3. 行方市)
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キーワード:

シラウオ、鮮度、k値、ドリップ率、IMP分解酵素

【目的】霞ケ浦産シラウオの漁期は7月21日から12月31日までである。一方で,豊洲市場の取引価格は1月に最も高く,その後夏に向かって下がっていく。そこで,取引価格の高い時期への計画出荷の実施をめざし,シラウオの品質に対する⾧期冷凍保存の影響について検討した。その結果,ドリップ率とk値について興味深い結果が得られたのでそれらについて報告する。
【方法】2023年8・10・12月において,表層トロール漁によりシラウオを漁獲した。船上で氷詰めした個体を陸揚げ後,1℃以下に維持したまま運搬し,陸揚げ後約24時間で研究室に搬入した。水洗いなどの異なる5つの処理区を設けた後,これらをフリーザーバッグに入れ,-35℃で最長5か月まで保存した。保存期間終了後,流水(18~21℃)で30分間および4℃・24時間の条件下でそれぞれ解凍し,組織観察の他,ドリップ率,最大破断荷重,k値,遊離アミノ酸量,IMP分解活性の測定を行った。
【結果】冷凍期間の影響が顕著に表れたのはドリップ率とk値であった。まずドリップ率は,8月>10月≒12月となったが,この要因のひとつとして,表皮の厚さの違いによる体液の流出量への影響が考えられた。そこで表皮の厚さを比較すると,8月<10月≒12月となり仮説は正しいかと思われたが,表皮の微細構造を観察すると,最も防水性が大きいと思われるコラーゲン層に構造的な差異は見られなかった。次にk値では,8月および10月の個体において冷凍中にもかかわらずk値の有意な上昇が認められた。一方,12月の個体ではそのような変化は認められなかった。そこで,k値上昇の主因であるIMP分解活性を比較したところ,8月<10月<12月となり,k値の上昇とは正の相関がみられなかった。以上の結果より,⾧期冷凍保存に適しているのは,ドリップ率が低くk値の上昇幅が小さい12月のシラウオであると考えられた。

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