講演情報

[P116]米菓咀嚼時の食塊物性と香気成分放散量の経時的変化

*高橋 孝太朗1、村上 里佳2、今泉 鉄平3,4、西津 貴久3,4 (1. 岐阜大・院・連農、2. 岐阜学・院・自然研、3. 岐阜大・応生、4. 岐阜大・先制食未来研究センター)
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キーワード:

米菓、人工咀嚼、食塊、レトロネーザル香、DART-MS

【目的】 ヒトは食品咀嚼中に食感と香りを同時に知覚するが,その経時的変化の関係に着目した報告例は少ない.当研究室では米菓の口どけ感と食塊物性の関係について人工咀嚼装置を用いた検討を行ってきた.本研究では人工咀嚼装置を用いて,咀嚼中に放散する香気成分を経時的に定量測定可能なシステムを構築し,食塊物性が香気成分の放散に及ぼす影響を検討する.
【方法】 口どけ感の異なる市販米菓(無調味品)3種類を同体積に調製したものを試料とした.人工咀嚼装置を用いて米菓人工食塊を咀嚼時間ごとに(5秒,10秒,15秒,20秒)作製した.粒度分布測定とテクスチャーアナライザーを用いたTPA測定を行い,食塊粒度分布と食塊硬度・付着性を測定した.人工咀嚼中に放散する香気成分を測定するために人工咀嚼装置と直接イオン化質量分析DART-MSを組み合わせた.唾液中の酵素濃度と咀嚼前の米菓粒度を調整した5つの咀嚼条件を用いて焙焼香気であるメチルピラジンの経時的変化を測定した.
【結果】 全ての米菓で咀嚼に伴い粒度と硬度が減少し,付着性が増加した.この変化速度は口どけ感がよい米菓ほど早い傾向があった.蒸留水添加区より唾液添加区の方がメチルピラジンの放散量が大きく,無添加区ではほとんど検出されなかった.米菓をあらかじめ粉砕して供試した場合,粒度が小さいほどメチルピラジン放散量は大きくなったが,唾液を添加しながら米菓が破砕される通常の試験区と比較すると放散量は小さかった.咀嚼中に食塊の粒子径・硬度が減少し,付着性が増加するにつれてメチルピラジンの放散量が増加することが明らかになった.以上の結果から水分が米菓食塊に浸潤することによってメチルピラジンが放散されやすくなるものと考える. 咀嚼時の米菓の破砕と水分の浸潤により食塊物性と香気放散が同時に変化することが示唆された.

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