講演情報
[P118]グルコース水溶液のアノマー比率へのNaX,KX,CsX,CaX2(X = Cl, Br, I)の影響
*長村 優太1、大場 正春2、前林 正弘3、高井良 友弥3 (1. 名城大・院・農、2. 名城大、3. 名城大・農)
キーワード:
糖、異性化、ケミカルシフト
【目的】D-グルコースは,多くの生物に必須の糖であり,天然に広く存在する.水溶液中のD-グルコースは,鎖状構造を経由する数種の互変異性体として存在し,その99%以上がD-グルコピラノースである.先の研究で,アルカリ金属塩化物を添加した水溶液中のアノマー比率(Pα:全ピラノースに対するそのα-アノマーのモル分率)は塩濃度とカチオン半径に依存することを示した.その一方で,アニオンの影響については,他を含めて充分な議論はされていない.そこで,本研究ではNaX,KX,CsX,CaX2(X=Cl, Br, I)溶存下でのアノマー比率を求め,アニオンの影響を評価することを目的とした.
【方法】試料水溶液のグルコースの濃度範囲は0.1~1wt%,添加塩の濃度範囲は0.1~0.5 mol/kgである.調製後,アノマー平衡状態にするために,試料水溶液を25.0℃の環境下で15h以上静置した.1H-NMRスペクトル測定には日本電子(株)社製 JNM-ECA-500を使用した.測定温度は25.0±0.1℃である.積算回数は128~1024の範囲内でグルコース濃度に応じて設定した.ケミカルシフトとピーク面積の解析には,同社製Delta Ver. 6を用い,1位の1Hに対応する共鳴ピークの面積からPαを求めた.
【結果】グルコース濃度1wt%では,全ての塩で,塩濃度の増加に伴いPαが増加した.また,臭化物塩とヨウ化物塩では,同塩濃度において,カチオン半径が大きい塩ほどPαが大きい傾向が見られた.この相関は,先報の塩化物添加時のPαとカチオン半径の関係とは逆であった.今回用いたアニオン種は,電荷とイオン半径から,負水和により水の構造を破壊すると考えられ,塩化物とアニオン半径がより大きな臭化物,ヨウ化物との影響の違いは,アニオンの影響が有意にあることを示唆するものと言える.発表では,より精査した結果をもとに,塩添加によるケミカルシフト変化量とアノマーの活量係数などを踏まえて,アノマー異性化反応への溶存イオンの影響について議論する.
【方法】試料水溶液のグルコースの濃度範囲は0.1~1wt%,添加塩の濃度範囲は0.1~0.5 mol/kgである.調製後,アノマー平衡状態にするために,試料水溶液を25.0℃の環境下で15h以上静置した.1H-NMRスペクトル測定には日本電子(株)社製 JNM-ECA-500を使用した.測定温度は25.0±0.1℃である.積算回数は128~1024の範囲内でグルコース濃度に応じて設定した.ケミカルシフトとピーク面積の解析には,同社製Delta Ver. 6を用い,1位の1Hに対応する共鳴ピークの面積からPαを求めた.
【結果】グルコース濃度1wt%では,全ての塩で,塩濃度の増加に伴いPαが増加した.また,臭化物塩とヨウ化物塩では,同塩濃度において,カチオン半径が大きい塩ほどPαが大きい傾向が見られた.この相関は,先報の塩化物添加時のPαとカチオン半径の関係とは逆であった.今回用いたアニオン種は,電荷とイオン半径から,負水和により水の構造を破壊すると考えられ,塩化物とアニオン半径がより大きな臭化物,ヨウ化物との影響の違いは,アニオンの影響が有意にあることを示唆するものと言える.発表では,より精査した結果をもとに,塩添加によるケミカルシフト変化量とアノマーの活量係数などを踏まえて,アノマー異性化反応への溶存イオンの影響について議論する.
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